名画の模写3

模写3週目です。鉛筆やカーボン紙を使って描いた下書きを、面相筆でもう一度なぞってから、いよいよアクリルで描き始めます。
作家、作品によって描き方、描く手順はまちまちですので、まずはよ〜く見てどう描いたか想像します。イメージトレーニングですね。花を描いてから背景かな…服の下に暖かい色を敷いてるかな…相談しつつも講師も答えは知りませんので、推理ゲームのようです。
「模写」はハードルが高い課題に思えるかもしれませんが、子供たちはゴールが見えてる分、普段より悩むことなくどんどん描き進めています。今後が楽しみです!授業風景・名画の模写3(午前クラス)授業風景・名画の模写3(午後クラス)

名画の模写2

名画の模写のレッスン2回目です。
まずは下塗り(または地塗り)です。各自の選んだ絵をよく見て、下地の色を見極めることから始まります。油絵は水彩と違って、色の層を何度も塗り重ねた表現をします。そして多くの作品は中間色を一番下に塗る作業をしています。すると絵全体にまとまりができたり、色調にも影響が出たり、何より上から描きやすい。
ゴッホやモネといった巨匠の絵も、隅の塗り残しを見るとちらっと地の色が垣間見え、彼らがどういった手順で描いたかがイメージできます。
そして地塗りの次は下描きに進みます。午後クラスはカーボン紙を使って輪郭線をトレース、午前クラスは目で見て描き写すという本来の模写の方法でやってみています。みんな割とサクサク進めています。来週も頑張りましょう〜。
授業風景・名画の模写2(午前クラス)授業風景・名画の模写2(午後クラス)

名画の模写1

4月に入り新しい課題です!?
今年度最初の課題は、午前、午後クラスともに「名画の模写」です。
今週は早く描きたい気持ちをぐっと抑えて、画集をじっくり鑑賞する事に集中しました。絵は描く事も大事ですが、見る事もすごく大事です。
様々な巨匠の絵を見ながら、テーマや様式、色使いや絵の具の厚み等々、色々な人がいるんだなあと味わいつつ、気になった絵に付箋を貼り、これが描きたい!という絵を1枚決めてもらいました。
来週から描き始めます!名画の模写レッスン風景1

自画像デッサン完成/文字のデザイン完成

午前、午後クラス共にたくさん傑作が完成しました。年度末になり、教室の作品のレベルも最高潮に上がっております!
午前クラスの「マスクをした自画像」の鉛筆デッサンは、モノクロなので色は無いのですが、実は鉛筆でも微妙な色味がありまして、そこにきちんと個性(明暗はっきりしていたり、繊細だったり、しつこさがあったり)が出ているのが素晴らしいです。質感の描き分けもばっちりで、皆よく奮闘しました。
何より「ガリガリガリ、シャッシャッ」と皆の鳴らす鉛筆の音を聞いているのが、心地よかったです。コロナ禍の思い出として作品を見られる時が来るといいですね。

午後クラスの「文字のデザイン」は、名前から1字をとって絵にする課題でしたが、もとの名前のイメージからあえて飛躍させ、でも文字自体の意味はきちんと伝わってくるユニークな作品が生まれました。アイデアに跳躍力は大事です。今回学んだことですが、面白いデザインはどうしてかクスクスと笑いがでてしまうものですね。真剣に仕上げて、完成度が高ければ高いほど、面白くなってしまう。不思議ですね。

おまけでもう一点ご紹介。当教室を今週で卒業の中学三年生の生徒さんがくれたサプライズプレゼント。教室のマスコットの熊のイメージと私たち講師2人を組み合わせてくれた絵です。構成のアイデアも素晴らしくて、描写も丁寧。そして…可愛い?(私たちは美化し過ぎですよっ)。愛情あふれるプレゼントに、涙が出てきそうでした。高校に行っても良い作品を描いてね!

卒業生からのプレゼント

自画像デッサン4/文字のデザイン4

自画像デッサンは、そろそろ「描き込み」に入ります。
鉛筆の使い方も絵が進むにつれ変えていきます。出だしは柔らかめ(2Bなど)の鉛筆を寝かせてふわっと調子をつけていきますが、だんだんと鉛筆を立て、硬さもHBや2Hなど硬い鉛筆でガリガリと筆圧を上げて描いていきます。顔の細かな面の向き、まぶたの厚みや眼球の丸み、服やマスクのシワの重なり、一つ一つ丁寧に説明するように描き分けていきます。次回で終わり!がんばりましょう。

文字のデザインは今週から彩色です。まずは背景、かつ明るい色から暗い色へ、広い面から狭い面へと塗っていきます。
水彩は、消そうとして拭いたり上から塗ると余計汚くなるので、やり直しがほぼ出来ません。また水加減の調整も大切で、薄すぎると塗りムラが出来、濃すぎるとベタベタして塗りにくい。実はとても難しい画材です。はみ出さないよう集中して描く緊張感のおかげで、徐々にみんな筆使いが上手くなっていますし、慎重に試し紙で色を確認する癖もついてます。水彩の良い効果ですね。
再来週は主役の文字を塗って完成です!

自画像デッサン3/文字のデザイン3

午前クラスの自画像デッサンはぐっと描き進んできましたので、途中経過をお見せします。
先週までは少し絵が堅い感じがありましたが、大きく明暗を意識して調子を入れたり、(細部でなく)大きな骨格を意識してみるなど、ゆったりと捉え直していくうちに、だいぶ人間らしい柔らかいデッサンになってきました。マスクもよく見えています。階調も豊かでいいですね。

午後クラスの文字のデザインは、本番の下書きに入りました。レタリングで一回吸収したきれいな文字の形をベースに絵にしていきます。
ポスターなどのデザインの世界では、アイデアが一瞬で伝わるように絵をすっきりシンプルにする感覚が必要とされます。絵でもそうなのですが、デザインは特にそぎ落としていかないといけません。今週は色塗りの前に、本番用紙に鉛筆の線描でしっかりと下書きを詰めていきました。来週から色塗りです。ピタッと丁寧に塗っていきましょう。

自画像デッサン2/文字のデザイン2

自画像デッサンは、輪郭線を描いてから鉛筆で塗ると、塗り絵のように不自然な絵になってしまいますので、形や構図を探りつつ柔らかく描き進めていきます。
また、顔を正面から見ているとあまり気付きませんが、実は人の頭蓋骨はかなり奥行きがあります。図のような上から見た頭の形を皆にも見せて、立体としての形を意識してもらっています。

午後クラスは、自分の名前の中の一字を正しいレタリングで書きました。
文字の書体には大きく分けてゴシック体と明朝体の二種類の形があります。明朝は毛筆の形から来た縦が太く横が細いきれいな文字で、ゴシックは太さが均一で読みやすいのが特徴。どちらも新聞などで身近に見ますね。
デザインで使用予定の書体の一字を、見本を見ながらマス目に正確に書き、水彩できちっと塗って仕上げました。正しい書体を踏まえた上で、来週からデザイン画の制作に入ります。
【参考】上から見た頭蓋骨

自画像デッサン1/文字のデザイン1

新しい課題に入りました。
午前クラスは自画像デッサンです。
マスクを外せない日々が続きますが、絵に描いておけばいつか思い出になるかも?と、あえて「マスクをした自画像」をテーマにしました。
顔が半分以上マスクに覆われているので一見簡単そうに思えますが、実はマスクの中の見えない形を意識しないと顔に合わなくなり、とても不自然になるので難易度高めです…。
でも、みんな良い滑り出しでした。

午後クラスは文字のデザインです。自分の名前から一文字を選んで、絵と文字を組み合わせたデザインを作ります。
まずは自由に想像をめぐらせて、エスキース帳でアイデア出しです。アイデアはなにより数が勝負。色々な組み合わせや展開を考えて、失敗を恐れずとにかく描いてみる。もう出尽くした〜と思った頃に、「!!」とひらめきが訪れるものです。写真(下)は宙を見たり頭をかいたり、産みの苦しみを感じてる様子?。

模刻(靴・リンゴ)完成

靴の模刻、リンゴの模刻(着彩)、ともに完成しました〜!!
ふっと脱ぎ捨てられたさりげない靴の感じをよく観察して作りました。なんということのない曲線や、足に合った靴らしい形といった支えになる基盤がよく出来ているからこそ、靴紐やバックルなどのディティールも映えてきますね。

リンゴの着彩は先週塗った黄色い下地の上に様々に混色した赤い色を、ハッチングや点描といった細かい筆のタッチで重ねていきました。リンゴの表面をよく見ると複雑にいろいろな色が折り重なってまだらな色をしています。自然物らしい色彩のポイントはこの「むら」や「ランダムさ」にある気がします。モチーフをよく見て、どうしたら似るか、色や筆使いを自分なりに試行錯誤していく事が成長に繋がります。

模刻(靴・リンゴ)4

靴の模刻は、今週と来週で終了ですので、細かなパーツを具体的に作りこんでいきます。でこぼこした表面を革靴の場合はスーッとシャープな曲線に、布靴はふわっと柔らかく形を整えられると、素材は粘土でも「粘土っぽさ」を感じさせない、本物の革や布のようなリアリティが出ます。それにはいかにヘラなどの道具を使いこなすかがポイント✨です。

リンゴの模刻は、今週からアクリル絵の具での着色に入りました。
リンゴなので「赤」を塗りたくなるのをちょっと我慢して、よく観察してみると、赤の下に黄色や緑色がうっすらのぞいています。
成長過程を想像すると分かりますが、リンゴは黄緑色から始まり、だんだん日に当たったところから赤く色づいてきます。着色もその過程にのっとって、下地に黄色(黄緑色)を塗り、上から細い面相筆で薄い赤を重ねていきます(重色)。どこまでそっくりにできるか楽しみです。