グレートーンから始める静物デッサン4/手と紙コップのデッサン4

午前クラスはデッサンの途中経過をお見せします。グレーから始めた事と、背景も平等に意識してもらっている事が功を奏して、全体感がありますね。空間も出てきました。この調子で、来週も描き進めましょう。
午後クラスも集中して真剣に描いてますね。6H〜6Bまでの鉛筆の使い分けや、ハッチングなども学んでいます。よく見て描いている分、ぐっと絵に密度が増してきています。
来週の完成が楽しみ!
グレートーンから始める静物デッサン途中経過
手と紙コップのデッサン制作風景

グレートーンから始める静物デッサン3/手と紙コップのデッサン3

鉛筆デッサンも中盤。どんどん「調子」を入れていきます。「調子」とは調子が良い悪いの「調子」でなく、美術用語で鉛筆や木炭デッサンでの濃淡(グラデーション)のこと。
2B、4B、6Bを使って暗部に鉛筆をしっかり乗せていきます。それから、ティッシュでこすったり、練りゴムで明るくしたり、さらに上から描いたり…と複雑な「調子」ができてきました。綺麗な「調子」のデッサンを目指しましょう!

グレートーンから始める静物デッサン2/手と紙コップのデッサン2

午前クラスの静物デッサンは、先週全面をグレーに塗った後から続き今週もじっくりエスキース。構図は大事ですからね。終わった人から本番のアタリに入ります。
さて、今回のグレー地は中間トーンから暗く描く/明るく練りゴムで描くの両方向に攻められるという利点もありますが、もう1つの狙いは背景を描くこと。いつもは背景は描きませんが、今回は壁や窓、向こう側の人も含めて、モチーフと対等に明暗を観察して描きます。

午後クラスの手と紙コップのデッサンは、どんどんいい形を探って描きます。大事なのは、鉛筆を寝かせて柔らかく形を捉えること。絵を描く際のありがちな思い込みで、輪郭線をギューっと線で描いて、いい形が描けたら中身を塗る、というイメージがあるかと思いますが、それでは描いたり消したり一向に上手くいきません。輪郭も中の形も同時に見て、柔らかく決めていく。ベストの形は最後に決めれば良いのです。みんな頑張ってます!

グレートーンから始める静物デッサン1/手と紙コップのデッサン1

新年あけましておめでとうございます。
さて、2025年第1回目の課題は午前クラスは静物デッサン、午後クラスは手と紙コップのデッサンです。
午前のデッサンはいつもと少し趣向を変えて、紙を鉛筆で均一に塗ったグレートーンから始めます。アクリルでの地塗りと同じ発想ですね。なかなかピタッと全面綺麗に塗るだけでも疲れたようです・笑。白紙から描くのと違う展開が楽しみです。
午後クラスは、手と紙コップを組み合わせて描きます。紙コップの白さ/軽さ/人工的な形と、手の肌の色/柔らかな形をどう組み合わせるかがポイントです。今週は主にエスキースで色々なポーズを試してみました。なにより、自分なりの「美しい形」を探すのが大切です。

構成アクリル画(静物とコピー紙)完成/静物アクリル画完成!

今年最後の課題が完成しました〜。
同じモチーフを使いつつ、午前クラスは「静物とコピー紙」をお題に自由に組み合わせて描いてもらいました。お題は一応ありますがあくまできっかけ程度に捉えて、いかに自分なりに解釈して、発想を広げ、自分の表現に昇華させるか?が大切です。紙の特性をそれぞれの角度で取り込んで、色々面白い絵が出ましたね〜。見えないところで発想を支えるデッサン力も大事です。みんなそれぞれ違った「良い絵」です。

午後クラスは素直に静物を描き上げました。ほぼアクリルでの静物はみんな初でしたが、これだけ粘り強く描けてすごいですね。絵の具づかいや物の観察眼も養われました。今後の成長が楽しみです。

さて、冬休みです。どうしても絵は「描く」が大事かと思われがちですが、「良い絵」を描くには、実は「描く」よりも良い絵を「見る」ことが重要です。ぜひ美術館へ!良いお年を!

構成アクリル画(静物とコピー紙)7/静物アクリル画7

いよいよ今週来週のあと2回で終了です。毎度みんなには言っていますが、最終回の前の週、一旦完成させるつもりで描き切り、最終日はさらにもう一歩!主役を描き込んだり、形や色の全体調整をしたりしてクオリティを上げていきます。この一歩が成長になります。
どうですかね?みんな描き切れました?なかなか今回のモチーフは布の模様が厄介だったり(パターンを見切ればそう難しくはないのですが…)、ヤシの実が石か何かに見えたり、午後クラスの生徒さんはもちろん、経験豊かな午前クラスの子も結構苦戦しています。客観的に絵とモチーフをよく見比べて、粘り強くがんばりましょう!

構成アクリル画(静物とコピー紙)6/静物アクリル画6

今週を含めてあと残り3週です。今年もあとわずか。早いですね〜。時間が足りない💦と焦る生徒さんも。
もう全体は見えてきましたから、あとはとにかく描き切りましょう。この段階を「描き込み」と言います。ぐっと物に迫って、ひとまず絵の隅々まで説明し尽くすつもりで描きましょう。あいまいになんとな〜くで満足してはだめですよ〜。
物のディテール、形、重さや手触り、位置関係を正確にしていくと同時に、色のバランスがきれいか、目を細めて明暗が自然に見えるか、そして何よりはじめに感じた自分のイメージを伝えきれてるか?絵を描くって実はすごくマルチタスクなんですよ。
だいぶ進みました!風邪をひかないよう、年末までがんばりましょ〜う。
(おまけは高橋由一の「豆腐」。江戸時代の日本初の西洋画家です。豆腐、焼き豆腐、油揚げの豆腐三兄弟。おもしろいですよね〜。)
構成課題(静物とコピー紙)静物アクリル

高橋由一「豆腐」1877

構成アクリル画(静物とコピー紙)5/静物アクリル画5

5週目です。
アクリルや油絵具は何度でも上から描き直せますので、恐れず描けるところが利点です。一回でうまくいくより、何度も試行錯誤した線や色が重なると、かえって味のある良い絵になります。どんどん具体的に描いていきましょう。
さて、教室では絵を描くこと以上に、美術史上の色々な作家を紹介したり、パースや固有色など知識的な面もお話しすることも大事にしています。美術は「描く」ことや「作る」ことに目が行きがちですが、実は「知る」ことでより深く美術を理解して美術館に行っても楽しめます。
ちなみに現在東京都西洋美術館ではモネ展をやってます。是非!(チラシ【構成アクリル】静物とコピー紙 静物アクリル

モネ《メロンのある静物》

構成アクリル画(静物とコピー紙)4/静物アクリル画4

さてこの課題も4回目。中盤です。
午前クラスは静物をコピー紙と構成して描く、午後クラスは静物として描く、という違いはありますが、どちらもそれぞれ「自分なりのいい絵を描こう!」という事に変わりありません。この「いい絵」というのが何なのか、答えはありません。そこが美術の面白さですね。
確かに、絵には、いい/イマイチ はあります。ですがその「いい絵」の種類は百人百様です。みんな絵とモチーフと自分と対話して自分なりのいい絵を模索しています。自信を持ってどんどんチャレンジしていきましょう。

構成アクリル画(静物とコピー紙)3/静物アクリル画3

今週は途中経過をお見せします。みんな下地作りをしています。綺麗ですね。
ぱっと見、何が描いてあるかわからない!なんでこんな色々な色を塗るの?と思われるかもしれませんが、緑色の瓶だから絵の具の「緑」、ヤシの実は絵の具の「茶色」、と思うのは単純すぎます(人の肌も「はだいろ」で塗るのは要注意ですよ)。よ〜く色を観察すると、瓶の緑にも光と影や透けて見えたり反射したりで、色々な色味が見えてきて、それはモチーフどこをみても同じです。目に映る世界は頭で思うよりずっと複雑です。
あともう1つ、絵のためには瓶の色が別に赤くなっても構わないのです。工夫次第で自分の好きにして良いところが写真とは違う絵の自由度です。
写真みたいな絵!とよく言われますが、決してそればかりが価値じゃないですよ〜。
美術館に行って色々な絵を見ましょ〜う。