人物クロッキー/手の塑像1

午前クラスは、クロッキー(速描)と言って、素早く主に人物を描く課題です。デッサンは長期戦ですが、クロッキーは対象をパッと瞬時に捕まえる瞬発力を養います。いかに少ない生きた線で、的確にその人の特徴を捉えるか。今回は筆ペンも使用してみました。
本当は毎週やっていれば上達するのですが、1年ぶり。。小さいクロッキー帳で良いので、日常的に家族や友達をこっそり描いていくと、確実に上手くなります。あとやらないと腕が鈍ります…😌)。現在東京都現代美術館で展覧会開催中のデヴィッド・ホックニーもクロッキーがすごいです。

午後クラスは今週から粘土で手を作る「手の塑像」に入りました。まずはポーズ決め。手一つでも、優しさや力強さ、持つような手、祈るような手、いろいろな表情が表現できます。気に入ったポーズをスケッチした後、芯棒を作りました。

電球の模刻完成!/風船石膏と紙テープのデッサン2

午前クラスの電球の模刻が完成しました〜。なかなかの完成度ですね!
精緻な工業製品を粘土で手作業で作るという難題でしたが、みんな良く頑張りました。精度の高い造形力が身についたと思います。先週で終わった生徒たちは久しぶりにクロッキー。1ポーズ5分くらいの速描きです。みんな上手👏
午後クラスのデッサンは「デスケル」という道具でモチーフを覗いて、構図をしっかり考えてエスキースを描き、本番の紙に「アタリ」をとるところまでがんばりました。来週も引き続き頑張りましょう〜。


電球の模刻2/風船石膏と紙テープのデッサン1

急に暑くなりましたね。
午前クラスの電球の模刻は、電球らしい凹凸も歪みもない美しい曲面といい、口金のネジ部分も溝が「らせん状」につながった精巧なつくりで難しいと思います。ヘラで削ったり、押し当てたり、布で表面をなめしたりと、道具使いもいろいろ工夫して作っていました。目-頭-手の回路が鍛えられますね〜。

午後クラスは、前回作った「風船石膏」のオブジェに「紙テープ」を組み合わせて静物モチーフを自分で組み、今週より静物デッサンを行います。いつも講師が組む静物と違って、自分で好きなバランスに組めますので、モチーフ作りから作品制作と言えます。
どうでしょう?きれいなモチーフが組めたかな?来週から本格的に鉛筆でデッサンしていきましょう〜。

電球の模刻1/風船石膏1

午前クラスは粘土で電球の模刻に入りました。単純そうに見えて、人工物ならではの軸を中心とした完璧なシンメトリー構造、美しい機械的カーブ、滑らかな曲面となかなか手ごわいモチーフです。気をぬくとフライドチキンやヘチマのようになってしまいます笑。正確な立体的観察力を養いましょう。

午後クラスは石膏を用いた課題に入りました。石膏は粉末ですが水と混ぜると固まる性質があり、美術や歯科技工士などで型取りに用いられます。高校の美術室などに石膏像があったりしますね。
今回の課題はその石膏を風船に注いで、固まる前に自由に形をゆがめて、不思議な柔らかい形の「抽象彫刻」を作る課題です。初めての素材に、みんな楽しみました。来週からはこの像をデッサンしますよ〜!

白い静物4/サザエの模刻5

午前クラス午後クラス共に今週は途中経過。
午前は真っ白のモチーフで、かつ使う絵の具は赤青黄の三原色+白のみという縛りがあるにも関わらず、いつもに増して色調が人によってそれぞれ違って良いですね。来月1ヶ月は時間がありますので、いろいろチャレンジしてみて、しっかり満足いくまで描き切って欲しいですね。

午後クラスのサザエの模刻は、今週から着色。とはいえ、いきなりサザエの色を塗るわけでなく、今日は下塗り。サザエの殻をよく見ると表面は石灰化して白くなっていますが、濡れ布巾で表面を濡らすとその下には紫・赤・緑など入り混じった暗い色があります。実際に子供たちも濡らして観察しながら、感じた色をアクリル絵の具で塗ってもらいました。カラフルですね!来週はこの上から白っぽい色を重色して仕上げます。アクリルも初めての子が多いですので、使い方もこの機にレッスン?

白い静物3/サザエの模刻4

静物は3週目。先週に続いて描き出しですので、細部や最終的な色にこだわらず、主にナイフや大きな筆を使って全体感・雰囲気をつくっていきます。
とはいえ、それは一般的な進め方で、人によって趣味も違いますし、どういう絵に仕上げたいか方向性も違いますので、それぞれに応じた進め方を相談しながら探っています。出だしはイメージを手探りする段階で一番大変ですが面白い時です。楽しみましょう。

午後クラスのサザエの模刻は、ツノや、渦を巻く筋など細部まで出来るだけ作って、粘土造形を今週で完了しました。表面は、ヘラで引っ掻いたり、筆や雑巾を押し当てたりして細かな凹凸をつけ貝殻らしいガサガサした質感を表現しています。来週からの着色にも活きてくるはずです!

写真模写(自画像)完成!/サザエの模刻1

午前クラスの写真模写による自画像が完成しました!!いいですね〜。
普通の鏡を見て描く自画像と、結果が少し違うのが分かりますでしょうか?
たなびく髪など写真ならではの一瞬を切り取った静止した空気。動く自分の姿を鏡で見てはこうは描けません。そしてカメラが冷静に描き出す、光と影の滑らかなグラデーション。絵と違って現実世界には無限のグレーの階調があります。それを見たままに鉛筆で写し取る努力をすると、普段の絵では出したことのない緻密な「調子」(グラデーションや鉛筆の色あい)作りが習得できます。今度物を見て描くときにも活かせるといいですね。

午後クラスは今週から粘土を使ったサザエの模刻が始まりました。
実物のサザエの殻を見て石粉粘土で形をそっくりに作り、その後着色までやります。
写真は粘土作業を始める前のエスキースです。絵でも彫刻でも、いつも作り始める前の準備運動にエスキース(下絵、スケッチ)を行うのを習慣にしていますが、今回のサザエは上と横の2方向から形をよ〜く観察して描いてもらいました。ぐるぐる回る「らせん構造」をしていますね。複雑に見えますが自然の美しい造形です。
「サザエ食べたことなーい」「苦いから嫌い」など話しながらのスタートですが?、頑張っていきましょう〜。

静物デッサン(布とパイプ椅子)1/靴の模刻・完成!

午前クラスは、白布とパイプ椅子の静物デッサンです。
布のシワを描きつつ、布の中にある見えないパイプ椅子の存在をどう表現するか?
あともう1つ、鉛筆は黒いですが、布の白さをどう表現するかも大事ですね。なかなか手強いですが面白いモチーフです。
布はダ・ヴィンチやデューラーといった巨匠も描いてきた奥深いものです。楽しみですね。

午後クラスは靴の模刻が完成しました!
靴紐や縫い目などのディテールが出来てぐっと靴らしくなりました。みんな真に迫った良い靴です。よく粘って作りました。
ゴッホも靴を描いていましたが、今回の経験を通して、靴に限らず身近なものをじっくり観察する面白さを感じてくれたら嬉しいです!
静物デッサン(布と椅子)1

レオナルド・ダ・ヴィンチ

手の模刻5/靴の模刻5

午前クラスの手は先週まで大きな形や動き、雰囲気を大事に作ってきましたが、いよいよ完成目指して、細部もどんどん作りこんでいきます。
ただ爪やシワをひっかいて完成!ではなく、だんだんと面を細分化していく意識で、焦らず立体的に作っていきます。指もよく見ると下のようにいくつもの細かい面で出来てます。でも、なにより良く見て作ることに尽きます。みんな自分の手とよく見比べてますね。その調子!次回終了です。

午後クラスの靴も靴紐は最終日に作ることにして、それ以外をできるだけ完成させるつもりで頑張ってもらいました。靴、特にみんながよく履いているスポーツシューズは、いざ作ってみると本当にパーツが多くて大変ですね(笑)。
メッシュ生地に、つま先やかかとはバックスキンだったり、凹凸なくロゴがプリントされていたり、紐の穴にはハトメがあったり、チャックがあったり…もう仕事がいっぱい。どう作るか一緒に悩みながらみんなよく頑張ってます。満足いくまで作りこんでいきましょう!

手の模刻4/靴の模刻4

午前クラスの手の模刻は、見て←→作るを繰り返すリズムが身についてきた様子です。みんな像と同じポーズをとっては粘土をつけ/削り、また同じポーズをして確認する。作品作りは絵でも彫刻でも(さらに現代美術でも)作る力より見る力の方が実は大事です。
よく見て気付きの多いぶん、ぐぐっと人間らしい手になってきました。来週あたりから細部に入っていきましょう!
午後の靴の模刻は、だんだん具体的にソールやつま先、履き口の曲線など作りこんでいきます。細部に入ると全体の大きなバランスの狂いに気づいてたり、また一見何もないような布の曲面が凸凹いびつになっていることが気になってきます。ゆるい粘土で凹みを埋めたり、ヘラでカーブを思い通りに削ったり…実は靴を作る事を通して、粘土の扱いに慣れることがこの課題の一番の狙いだったり?もします。大変だけど頑張って!

手の模刻3/靴の模刻3

午前クラスの手の模刻は、粗付けに入りました。まず印象を大事に、大づかみに粘土をつけていきます。
この段階で大事なのは量と動き。絵でいう「クロッキー」の感覚で、細かい爪やしわにはとらわれず、ガッとつけたりザッと削ったりを繰り返して印象を捉えます。
面の向きや関節の位置も大事ですので、この時点でしっかり確認しておきましょう。ちょっと指が長くなって宇宙人っぽくなりがち?でしたので、来週も引き続き大きな作りを見直しつつ、徐々にディテールに入ります。

午後クラスの靴は、外側の大まかな形が出来てきましたので、内側を少しくり抜いて靴の履き口を作ったり、つま先の接地部分を削って地面から浮いてる反り部分を作ったりと徐々に靴らしくなってきました。
「粘土の塊」から「靴」に変わってくるにつれ、みんな少し気持ちが上がって集中力が増してきている気がします。全体のバランスも常に見つつ、各パーツをどんどん具体的に作りこんでいきますよ!

靴の構造

靴の構造

手の模刻2/靴の模刻2

模刻2週目。
手の模刻は、自分の手を良く観察して骨格をしっかり意識しながら芯作り。
指はなんとな〜くふにゃっと曲げると軟体生物になっちゃいますので、関節の位置と曲がり具合をよく見てきっちり曲げます。でも正確さの一方、表現したいイメージや気持ち(たとえばふわっと優しい感じや、グッと力強くつかむ感じとか)も大事に作っていきましょう。
靴の模刻は大まかな形が出来てきて、靴らしくなってきました。午前の手と似て、靴も身につけるものですので、人の骨格にそった形になっています。たとえば親指の先が前に出ていたり、親指・小指の付け根部分が出っ張っていたり、かかとも出てますね。その出っ張りをなめらかにつないだ「面」を意識しながら作るとそれらしくなります。来週からどんどん具体的にしていきましょう!

手の模刻1/靴の模刻1

あけましておめでとうございます。
さて!新年最初の課題は、模刻です。塑像(そぞう)や彫塑(ちょうそ)とも言います(彫刻は削る作業のみを指すので厳密には違う)。
午前クラスは「手」。身近ながら、その動きだけで様々な感情やイメージが表現できる手は、数々の彫刻家が向き合ったモチーフです(高村光太郎の「手」やロダンの「カテドラル」が有名!)。今週は色々なポーズをスケッチした後に芯棒作り。芯棒が狂うと骨格が狂いますのですっごく大事です。
午後クラスは靴。細部にとらわれると足の形状に合わせた「靴らしい形」とは違う、パンみたいなものが出来てしまいますので(笑)、まずは大きな形と量をみて粗付けしていきます。

高村光太郎「手」

抽象石彫1/バルサ材の木彫2

午前クラスは今週から新しい立体課題「抽象石彫」に入りました。
滑石という柔らかい石をヤスリで削って造形します。
テーマは「やわらかさ」。硬い石で柔らかさを表現できると面白いですね。
石彫は午後の木彫と同じく、削るともう足す事はできない引き算の作業です。ですので今週はスケッチと粘土模型づくりに費やしました。楽しみです。

午後のバルサ材の木彫は、先週から作っている粘土模型をもとに上下前後左右の6面から見た図面を起こしました。すごく図形的な頭を使って疲れる作業ですが、ここを適当にすると後で後悔しますので(笑)辛抱です。みんながんばってます。

ジャン・アルプ

参考ジャン・アルプ

人物クロッキー/バルサ材の木彫1

午前クラスは長期間をかけた模写の後のリフレッシュも兼ねて、1日だけの課題、人物クロッキーに挑戦しました。
クロッキー(速描)は、じっくり時間をかけるデッサンとは違い、短時間でサッと「線」のみで人を捉える練習です。一筆書きのように少ない線でモデルさんの体の動きを捕まえるのがポイントです。パッ!と形を捉える瞬発力がつくと、デッサンやアクリル画でも最初のアタリで、形や印象を素早く捉えられるようになります。
順番にポーズをとって、最初は10分、次は5分と時間を短くしていき、どんどん描きました。1日でだいぶ上手くなりました。

午後クラスは、今日から立体課題。バルサ材を用いた木彫です。バルサ材は釣りの浮きやルアーを作るのによく使われる、軽くて柔らかい木材でカッターや紙やすりで簡単に加工できるので、木彫の入門としてはもってこいです。とはいっても、木彫は一度削ると元には戻らないマイナスのみの仕事なので、まずは粘土やスケッチでどういう形を作りたいか綿密にイメージしていきます。3次元的に形を考えるのはなかなか難しいですが、みんな楽しんでます。
人物クロッキー2021人物クロッキー2021作品バルサ材の木彫1

模刻(靴・リンゴ)完成

靴の模刻、リンゴの模刻(着彩)、ともに完成しました〜!!
ふっと脱ぎ捨てられたさりげない靴の感じをよく観察して作りました。なんということのない曲線や、足に合った靴らしい形といった支えになる基盤がよく出来ているからこそ、靴紐やバックルなどのディティールも映えてきますね。

リンゴの着彩は先週塗った黄色い下地の上に様々に混色した赤い色を、ハッチングや点描といった細かい筆のタッチで重ねていきました。リンゴの表面をよく見ると複雑にいろいろな色が折り重なってまだらな色をしています。自然物らしい色彩のポイントはこの「むら」や「ランダムさ」にある気がします。モチーフをよく見て、どうしたら似るか、色や筆使いを自分なりに試行錯誤していく事が成長に繋がります。

模刻(靴・リンゴ)4

靴の模刻は、今週と来週で終了ですので、細かなパーツを具体的に作りこんでいきます。でこぼこした表面を革靴の場合はスーッとシャープな曲線に、布靴はふわっと柔らかく形を整えられると、素材は粘土でも「粘土っぽさ」を感じさせない、本物の革や布のようなリアリティが出ます。それにはいかにヘラなどの道具を使いこなすかがポイント✨です。

リンゴの模刻は、今週からアクリル絵の具での着色に入りました。
リンゴなので「赤」を塗りたくなるのをちょっと我慢して、よく観察してみると、赤の下に黄色や緑色がうっすらのぞいています。
成長過程を想像すると分かりますが、リンゴは黄緑色から始まり、だんだん日に当たったところから赤く色づいてきます。着色もその過程にのっとって、下地に黄色(黄緑色)を塗り、上から細い面相筆で薄い赤を重ねていきます(重色)。どこまでそっくりにできるか楽しみです。

模刻(靴・リンゴ)3

午前クラスは引き続き靴の模刻です。皆がこれまで作ってきた自然物(貝や果物)は個々にバラつきもありますので、大まかな特長が捉えられれば、その物らしくなります。
それに対して靴は「人工物」、かつ機能もありますので、形を正確に作らないと「これじゃ足が入らない!(笑)」等、靴らしさが出ません。そしてパーツが多いのも特長です。つま先、両サイド、ベロ、かかと、ソール、そして靴ひも…さらにスニーカーの場合ロゴやパッドがあちこちに…。改めてみると、かなり複雑です(図参照)。
ハードルが高い方が成長も大きい!と信じて頑張りましょう?。

午後クラスのリンゴは、今週で紙粘土での造形は完了。
リンゴの骨格(凹凸、構造)を失わないよう気をつけつつ、表面のつるっとした質感を三角定規をヘラ代わりに用いて仕上げていきます。てっぺんのヘタやおしりのガクなどのディテールも作りこみました。来週からアクリル絵具での着色に入ります。どんどんリアルにしていきますよ!

靴の構造

リンゴの模刻、途中経過

模刻(靴・リンゴ)2

模刻2週目です。
みんなとても真剣にモチーフに似せようと頑張っています。
午前クラスの靴も、午後クラスのリンゴも細部(たとえば靴ひもや縫い目、リンゴで言えばヘタなど)を残して、おおまかな形を仕上げていってます。
立体をとらえる時には「面の向き」を意識する必要があります。というのも立体物はぜんぶ「面のつながり」でできているからです。
面がどこで折れ曲がっているか、どういう角度か、を観察するのがポイントです。とは言っても、面はなめらかにつながっていて、境目ははっきりとはわかりません。
形を見切るのは難しいですが、気づけると今まで見過ごしてきた世界に触れた気がして、きっと楽しいはずです。
靴の模刻2週目 リンゴの模刻2週目

リンゴの面分割

模刻(靴・リンゴ)1

今年も始まりました。
緊急事態宣言が発令されましたが、当教室は日頃から静かに制作しますので、昨年に引き続き、手洗い・消毒・換気につとめつつレッスンを継続してまいります。どうぞ、ご協力のほどよろしくお願いします。
さて、今年最初の課題は、午前午後クラスともに模刻です。
午前中は自分(または家族)の靴をモチーフに、午後はリンゴをモチーフに石粉粘土で作ります。
「模刻」とは、まねして彫刻をつくること、ものを見てそっくりに作ることを言います。デッサンの立体版と言って良いです。
絵は一方向から見て似れば良いですが、模刻はどこから見ても形が合うように、ぐるぐると色々な角度から見て作らないといけません。
今日はどちらのクラスも、まずエスキース帳に何度も色々な角度からスケッチして構造をよく観察。その後、大まかな形と量(ボリューム)を粘土でつかむところまでを目標に頑張りました。その際の一番大事なところは、形の変わり目、「構造線」を見究めることなのですが、皆さん…わかったかな?