スルメの細密着彩2/木彫レリーフ5

午前クラスのスルメの着彩はデッサンから絵の具に入りました。
図工の感覚では、どうしても輪郭線を描いて色を「塗る」、という感じかと思います。ですが「塗る」意識ですと、物の形の流れと関係なくべたっと均一に塗ったり、スルメの耳、体、足、影、と分けて塗ってしまったりとあまり良くありません。絵の具は「塗る」のでなく「描く」意識で使いましょう。一筆一筆いい色を置いて形を描き起こしていく。ひとまずみんな良いベースが出来ました。来週から、ディテールもどんどん描いていきましょう!

午後のレリーフは今週で彫りは終了。色を塗らなくても凹凸だけで絵柄が見えるかどうか?がレリーフの判断のポイントの一つ。あと、買った板のままの平らな面も少ない方が良いです。いくつか現在の着色前の途中段階をお見せします。どうでしょう?みんなよく彫ってますね。来週から水彩で着色に入りますよー。

スルメの細密着彩1/木彫レリーフ4

今週より午前クラスは新しい課題。生徒たちには予め「水彩課題だよ〜」とは伝えていましたが、置かれていたスルメにえ?っと素直な反応😁。でも意外に美術の勉強では海産物をよく描きます。面白い形、透明感、質感、描きどころ(ディテール)も満載と勉強になるモチーフです。
西洋の静物画や日本の油絵の開拓者である高橋由一の「鮭」も有名ですね。
いつもは表現も大事にしますが、今回は写生。とにかく実直に見たままのスルメを描き写しましょう〜。

午後クラスのレリーフは、三角刀→切り出し→丸刀と進め、さらに、奥まった部分をもう一段彫り下げる作業をしました。次週は平刀で表面をならしたり、角を丸めたり、三角刀で細かい線彫りをして仕上げます。体力を使いますが頑張りましょう!

高橋由一「鮭」

自刻像完成!/木彫レリーフ3

午前クラスの自刻像が完成しましたー!秀作ぞろいですね👏。
彫刻は量(ボリューム)、形(フォルム)、動き(ムーブマン)の3つが最も重要とされます。そういった面や構造などの理論面は色々レッスン中に話しましたが、何より大事なことは「観察」「見ること」です(これは絵でも同じですね)。よく見て/感じ取って/表現する。どうしても美術というと手技と思われがちですが、実は鍛えるべき大事なところは手よりも目なのです。みんなよく見ている事が感じ取れ、その人その人の佇まいが表れています。先ほどの量・形・動きの先にある表現の領域が「佇まい」や「雰囲気」ですので、そこまで達した皆さんすごいです!👍

午後クラスの木彫レリーフは3回目。三角刀で線をなぞったあと、切り出し刀で外側に向かって切れ込みを深く入れ、丸刀で外側を彫り下げる、というところまで頑張りました。順調に進んでいます。まだ彫りの作業は続きますが、割と力がいるらしく、みんな疲れた〜と言ってます。美術、特に彫刻はスポーツ同様、体力が必要なんです。運動しましょう〜☺️

自刻像5/木彫レリーフ2

自刻像は5週目に入り、来週完成の予定ですので、いよいよ大詰め。ここでいい集中ができた子はグッと完成度が仕上がりますが、「まあ、こんなものか」と満足するとそんな感じ😅で終わってしまいます。何か違うな?と違和感に気づけたり、「あ〜ここの形はこうなっているんだ〜」と”自分の力”で発見できると、その一つ一つが成長につながるのです。教える側としてはここは教えたい気持ちを我慢🤐…。

午後クラスのレリーフは、彫りに入りました。まずは輪郭線を三角刀で彫り込みます。左手に軍手して裏面で練習してから本番に入っていますので万全です。
ちなみに机の上に出ているプリントはエジプトのレリーフ。他にも日光東照宮の三猿や、鎌倉彫りも紹介したり、レリーフって世界中に昔からあって奥深いですね。

自刻像4/木彫レリーフ1

午前クラスの自刻像は4週目。今週からディテール(細部)に入ります。
目、鼻、口、髪、どんどん形を具体的にしていきます。細かい部分を作る際も、面の刻みが細かくなるだけで、常に全体を意識しなくてはいけません。
例えば鼻の角度を見るとき、同時に後頭部の角度と比較したり、平行な面を探したりするのもコツだったりします。この辺りは感覚的な話で言葉の表現では難しいですね(笑)。ぐっと人らしくなってきましたよ!

午後クラスは、新しい課題「木彫レリーフの壁飾り」です。レリーフは言い換えれば「浮き彫り」、ジャンルでいうと立体と平面の中間で「半立体」になります。平たい板を彫って、いかに立体感や奥行きを表現できるか?がポイントです。
今週は持参した資料をもとに絵柄を考えて、木板にカーボン紙でトレースしました。来週から彫っていきましょう〜。

自刻像3/デッサン(リンゴと段ボール)完成!

午前クラスの自刻像は粗付け2週目。丁寧なことは良いことですが、慣れないとどうしても仕事が細かくなりがちです。この段階はドン!と粘土をつけたり、ザクっと削り落としたり、バンバン叩いて面を作ったりと、大きな仕事が大事です(作業のことを美術では仕事と言います)。目鼻口に気が取られるのをぐっと抑え、顔の表面の奥にある大きな構造や、人間らしい「佇まい」をつかまえることを心がけます。これは粗付けのコツとも言えますが、彫刻の一番難しい奥義(笑)みたいなものなので、ゆっくり学んでいきましょう〜。

午後クラスは、リンゴと段ボールの鉛筆デッサンが完成しました〜!みんなリンゴの形や明暗、段ボールとの描き分けも出来ていて良いです。実はリンゴはまん丸ではなく、よく見るといくつか角があって、上から見ると5角形のような隠れた形があります。午前の自刻像とも重なりますね。それをよく観察することが描けるかどうかより大切です。みんなモチーフを良く感じているのが見えて素晴らしいですね〜。
自刻像


自刻像2/デッサン(リンゴと段ボール)2

午前の自刻像は、前回作った芯の上に粗付けをします。
塑像(模刻)は3Dデッサンとも言えて、色々な角度から見て3次元的に形をつかんでいきます。「顔」と言うと目鼻口など細部にとらわれがちですが、この段階は表面に惑わされず、顔の下にある「骨格」や「面の向き」「構造」を見切ることに集中します。大づかみに粘土をつけたりとったりしながら、少しずつ人間らしい構造にしていく、絵で言えば下地作りの段階ですね。大事ですので頑張りましょう。彫刻と言ったら上野の国立西洋美術館には、ロダンの作品がたくさんあります。今はキュビスム展もやってますので是非!

午後の鉛筆デッサンは、今週から調子(明暗のトーン、色ともいいます)を入れ始めます。午前と同じく、この段階はざっくりとおおまかに4Bや2Bの鉛筆を寝かせて明/中/暗に分けていきます。モチーフの明暗を見るときは、目を細めて見るのがポイントです。意外とリンゴは暗いんです。来週はどんどん細部も描き込みますよ〜!

オーギュスト・ロダン「考える人(拡大作)」国立西洋美術館

オーギュスト・ロダン「考える人(拡大作)」国立西洋美術館

自刻像1/デッサン(リンゴと段ボール)1

2024年最初の課題です。
午前クラスは自刻像。自分の顔を描くのが自画像、自分の顔を彫刻するのが自刻像!(ちなみに粘土で作ることは塑像や彫塑とも言います)。まず今週は、頭蓋骨の写真や、筋肉の説明を入れつつ、じっくり顔を観察しながらエスキースし、自分の顔を理解します。絵のエスキースと違って、綺麗さや明暗ではなく、面の変わり目や構造を見るのがポイントです。その後芯づくりに入りました。来週から、粗付けに入りますよ〜💪

午後クラスは、リンゴと段ボールをデッサンします。簡単にみなすと丸い形と四角い平面、とシンプルなモチーフですが、実はリンゴはまん丸でなく隠れた構造があったり、段ボールには「パース」なるものがあったり、学ぶことは多いですよ〜。乞うご期待。

手と紙コップのデッサン完成!/シルクスクリーンのカレンダー完成!

午前クラス「手と紙コップ」の鉛筆デッサンは先週書いた通り、レッスン中のアドバイス無しで全部自力で描いて、最終日に講評を行うという形を初めて試みました。実はこの方法は美術大学では一般的なスタイルです。自分の作品への指摘ももちろん役立ちますが、意外に他人の作品に対しての講師の言葉のほうが客観的に「なるほど〜」と学びが多かったりします。
デッサンで大事なことは人によって意見は割れるでしょうが、個人的には「構図、形、明暗」が大事に思います(他にも空間、質感等ありますが)。ここにのせた人は構図や形も良く、何よりコップの白さに反応できたのが良いと思います。よく観察して描いてますので拡大して見て下さい。

午後クラスのシルクスクリーンのカレンダーも無事終了しました!前回は単色で好きな色で、今回はグラデーションで、と二回刷りを経験したおかげか印刷がだいぶ身について上手になりました。カレンダーというと月にとらわれて定型なイメージに縛られがちですが、今回は自由に思い入れのあるものを描いてもらったので、バラエティに富んだカレンダーになりましたね。

さて今年のレッスンは終了です。みなさん1年よく頑張って力作をたくさん作りました!お疲れ様〜。メリークリスマス🎅&良いお年を🎍!

手と紙コップのデッサン1/シルクスクリーンのカレンダー5

午前クラスは、アクリル課題が先週で終わりましたので年末2回で「手と紙コップ」の鉛筆デッサンを描きます。
今回、いつもと違う点は途中の講師のアドバイスは一切ありません。エスキースをし、構図、明暗、形等々、ぜんぶ自力で頑張ってもらいます。
いろいろ書きたいですが、ここでもあえてノーコメントとします!笑。がんばって〜

午後クラスは、いよいよシルクスクリーンは刷りに入りました!シルクスクリーンに限らず、版画は色々と段階を踏んだ作業があって少し大変💦
スクリーンをテーブルに固定し、紙を置く位置の「見当」(目印)を作って、白・黄・赤・青のインキを混ぜて好きな色を作り、スクリーンにインキをのせ、スキージでインキの膜を作り、刷る、紙を交換する…とやることがたくさん。でも覚えるより慣れましょう。来週も刷りますよ!