今回の静物課題も、残すところ今週を含めてあと2回。
午前のアクリル画も、午後のデッサンも、今週で一旦完成させる気持ちで頑張ってもらいました。
技術や知識は場面に応じて教えられますが、いわゆる”コツ”というような、どうすれば良い絵が描けるというものはありません。また、下地→粗描き→仕上げと順当に進むものでもなく、行きつ戻りつ、モチーフと絵を見比べながら、どうしたらもっと良くなるか、どんな絵にしたいか、今一度、自分自身や絵と対峙する時間です。
ここへ来て手が止まってしまって描きあぐねる子もあれば、大胆に絵作りを変えてくる子、どんどん描き進める子、人それぞれですが、諦めずに粘った分次への成長につながります。
来週で完成です。お楽しみに〜。
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静物アクリル画/鉛筆デッサン(5)
静物課題の途中経過です。そろそろ大詰めですが、簡単にまとめに入るのでなく、満足いくまで画面とのやり取りを繰り返します。
午前のアクリル画は、色調が整っているか、バランスや画面の流れはどうか、あとは自分の表現としてどうか?等たくさん考えることがあります。指導では、ヴァルール(色の位置感)の話や、見る人の視線の流れ、緩急やリズム感といっただいぶ専門的な話も織り込んでいます。100%受け止めきれなくても、何かピン!と来るものがあればと思っています。
午後クラスのデッサンも、形をはっきり描き進めるにつれ、物の形や位置の狂いもはっきりしてきます(笑)。そこで諦めずにモチーフと絵を何度も比較してすり合わせていく作業がデッサンでの学びの時です。「見えるまま描く」という事は実はとても大変で、ふつう人は(大人でも子供でも)色々な思い込みのフィルター越しで物を見ています。デッサンの訓練は、上手くなる訓練というより、「ありのまま」に見えるように、思い込みのフィルターをはがしていく作業かもしれません。
静物アクリル画/鉛筆デッサン(4)
午前のアクリル画は、下地の上から具体的に筆で描写していきます。
でもここで注意したいのが、いきなり「固有色」(物の色、例えばかぼちゃなら緑)で全部べたっと塗りつぶしてしまうと、せっかく作った下地が無駄になってしまう事です。かといって下地を大事にしすぎると、上からの描写が弱々しく見えません。「下地を生かしながら描き進める」と矛盾しているようにも聞こえますが、そのバランスを考えたり、せめぎ合いをしながら描いていく事で、単純ではない面白い絵になっていきます。
午後クラスのデッサンは、前回2Bだけで明・中間・暗の三段階の調子をつけましたが、徐々に2H〜4Bくらいまで使って、もっと暗い、もっと明るい階調も増やして5段階、10段階とどんどん階調を増やして豊かな絵にしていきます。今回のモチーフは、ブロックやストライプなどパース(遠近法)の狂いが生じやすく、また球体もだ円形になると変ですし、ストライプの本数が合わなかったり(笑)と、単純そうに見えて実は多くの形を正確にとらえる必要のあるモチーフです。何度も測って確認を繰り返し、大変ではありますが、物の見方/考え方の良い勉強になると思います。がんばりましょう!
静物アクリル画/鉛筆デッサン(3)
午前クラスのアクリル画は、ペインティングナイフで色面的にとらえた後、薄く水で溶いた絵の具を刷毛で塗り(グレーズという技法)、絵全体の雰囲気を作っていきます。そこから徐々に豚毛の筆で具体的に描き込んでいきます。
ちなみに、絵において色をどう使うかは本当に自由ですし、考え方もいろいろですが、まずは物の「色味」を感じる事をひとつのポイントにしています。たとえば白い球だからといって白と決めつけずに、光の加減や周囲との関係で青い色を感じ取ったらその通りに色を乗せ、かぼちゃも緑と頭で決めつけずに、赤っぽさ、黄色っぽさ、を感じ取ったら、そのまま感じた色を置きます。絵の世界の中でおかしくなければ、実際と違う色でも構いません。それぞれみんな自分で考えて描いていますので、色使いに個性が出てきて良いと思います。
午後クラスは、鉛筆で軽くアタリが取れた人(輪郭線や位置を決めていく作業)から、少しずつ調子を入れていきます。白、中間、暗いの三段階くらいに柔らかく鉛筆を寝かして塗り分けていきます。さあこれからどんどん描き込んでいきますよ〜!
静物アクリル画/鉛筆デッサン(2)
レッスン再開最初の課題は、「ブロック、かぼちゃ、スチロール球、グラス、ストライプの布」の静物です!
いろいろな形(直方体、円柱、球など)と質感(ゴツゴツ、すべすべ、さらさらなど)のものが組み合わさった、基本的ですがなかなかの難題です。がんばりましょう〜。
同じモチーフを、午前クラスはアクリル画で、午後クラスは鉛筆で挑戦しています。
アクリルは今回はペインティングナイフを使って、のびのび、おおらかに下地作りをしていく事を試みています。ナイフは慣れが必要だったり、人により相性の良し悪しもありますが、いつもより元気に厚く絵の具が乗っていて良いと思います。
鉛筆デッサンは、どんどん描き進めたい気持ちをぐっと我慢して、まずはパース、物の位置、形の狂いがないかを慎重に見比べてアタリをとっています。建築の製図に近い作業ですね。形が綺麗にとれれば、この後描き進めるのも楽しいですので、ここは少し辛抱です。よく頑張ってますよ〜?。
静物画・完成!
「瓶のある静物」完成です?。
デッサンは、以前にも靴や自画像など単独のモチーフで描きましたが、今回のような「組みモチーフ」は物と物の「関係性」を見ることが大切です。
少し高度かな〜?と思っていましたが、色々なモチーフに刺激されて、瓶の写り込みや透明感、ボールの縫い目など皆どんどん描き込んでいました。鉛筆のグレートーンの幅もよく出ていますね。
午後クラスはアクリルです。物に近付こうと、混色も工夫して自然と上手になっています。
色の面と面とのぶつかりあい(対比やリズム、ハーモニー)によって絵は出来ていますが、専門用語で言うその「色面分割」が、とてもきれいです。これはモチーフに「きれいだな〜」と感じ取れている証拠です。
デッサンもアクリルも一つの課題でぐっと成長したのではないでしょうか。みんな良く頑張りました!