自刻像(3)/名画の模写(6)

午前クラスの自刻像は、まだディテールには入っていませんが、大きな形をつかむ為に、何度も粘土を付けたり取ったり、駆け引きしながら辛抱強く形を探っていっています。
人の顔は肉がありますので、丸くて滑らかにつながって見えますが、その下にある見えない大きな面を見極めるのがポイントです(下のビーナス像の面取り参照)。大人でもなかなか難しいですが、ちょっと感覚をつかめるといいですね。

午後クラスは、模写も中盤。絵をまねることをきっかけに、絵の具の乗せ方や、グレーズという重色(色を重ねる)の技法や、補色の知識など折り込みながら学んでいってます。まさに「まねる+まなぶ=まねぶ」ですね。
だいぶ本物の絵に近づいてきましたよ。がんばりましょう!

自刻像(2)/名画の模写(5)

今週も引き続き、午前クラスは自刻像。午後クラスは名画の模写を進めています。
自刻像は「粗付け」といって、大まかな肉付けをする工程です。大きな脳がつまっている頭部は思うより奥行きがあることなど、頭蓋骨の図を見せながら話しつつ、人間の頭の構造を意識して進めていってもらってます。ぐっと人間らしくなってきました。目、鼻、口を作りたい気持ちを抑えて、大きな形/塊/ボリューム感をつかんでいきましょう。

午後クラスの模写は、少しずつ細かい作業に入ってきています。細かい描写に入るとどうしても明暗のバランスが本物の絵と違ってきてしまったりします。
「部分を描きながらも全体を見る」、とても高度ですが絵を描くには必須な感覚で、もしかすると色々な世界で活かせる感覚かと思います。身につくといいですね。がんばりましょう〜。
自刻像制作風景名画の模写制作風景

自刻像(1)/名画の模写(4)

早いものでもう2月⁉︎ 午前クラスは新しい課題で「自刻像」です。
分を絵にくのが「自画像」、分を彫で作ることを「自刻像」。
立体から平面に置き換える自画像よりも、立体からそのまま立体にする自刻像の方が、もしかしたら作りやすいかも⁈と思い、以前午後クラスでもやってみた課題です。
ですが、どの角度から見てもちゃんと顔(しかも自分の顔)になるように作るのは実は高度な三次元的な捉えが必要になります。骨格や量感(ボリューム感)、面や構造をよく観察してじっくり作っていきましょう!

午後クラスの模写は、少しまだアクリル絵の具使いに慣れていないのか水彩風に薄塗りになってしまったり、どうしても絵全体でなく部分に目が行きがちな場合も見られますが、まずまず順調に進んでいます。
絵を見て塗り重ねの順番を見極めるのが一番ですが、基本的には遠くから近くへ、また大きい塗りからだんだん細かい描写へと進めると上手くいくと思います。飾れる絵を目指してがんばっていきましょう〜。
自刻像制作風景
模写制作風景

ピンポン球を持つ手の鉛筆デッサン(完)/名画の模写(3)

午前クラスは手のデッサンが完成しました!
今回の課題は楽しかったのか集中度が高く、全員ぐっと成長した気がします。
①手の構造(骨格、関節、筋肉のつき方)をよく観察すること。
②平面的な位置感だけでなく、遠近感(奥行き)をよく見て、どこが一番手前かを意識すること。
③白いピンポン球と手の「質感」や色の差を描き分けること。
④きれいだな、と感じながら描くこと。
等々、要点をしっかり意識して、とても誠実に描けています。

午後の模写は、アクリル絵具で本番に入りました。
描き始めたい気持ちをぐっとこらえて、まずは焦らずじっくりと絵と対話します。作者がどういう手順で描いていったか、本人になりきって想像します。
実は絵をよ〜く見るとヒントは隠れています。例えば、下のゴッホの玉ねぎの静物に描かれているろうそくの部分。青やピンクの薄い下地を塗った後に、ぽってりと白でろうそくを描き、青で輪郭を描き、黄色い線を最後に重ねた、と推察できます。奥深いですね。まるで推理ゲームのようですが、楽しみながら学んでいきましょう〜。


名画の模写・制作風景(日曜午後クラス)

ピンポン球を持つ手の鉛筆デッサン(2)/名画の模写(2)

午前クラスの鉛筆デッサンは、今週は光の当たり方をよく意識しながら、鉛筆の濃淡で明暗を入れていきました(専門用語で「調子」と呼びます)。4H〜4Bの鉛筆を寝かせたり、立てたり、ティッシュでこすったりと工夫をすることで、単なる白黒ではなく微妙な色や質の違いを出していきます。みんなよく粘って描いているおかげで、良いデッサンになってきています。来週完成予定です。がちっ!とつかめそうな、存在感のある手を目指して頑張りましょう!

午後クラスの模写は、カーボン紙を使ってキャンバスに輪郭線のトレースをしました。大人が模写を行う際は、トレースをせずに絵を見ながら似せて描いていきますが、そのステップは省略です。それでも、混色や色の配置、絵の具の乗せ方や多彩な表現、名画から学べることはたくさんあります。来週から絵の具に入ります。ゴッホやセザンヌらになりきって描いていきましょう!

ピンポン球を持つ手の鉛筆デッサン(1)/名画の模写(1)

2020年になりました!新年あけましておめでとうございます。

午前クラスの最初の課題は「ピンポン球を持つ手」の鉛筆デッサンです。
「手」はレオナルド・ダ・ヴィンチやデューラー(参考図版)など、はるか昔の巨匠たちの時代から描かれてきた、奥の深〜いモチーフ(対象)です。すぐそこにあっていつ でも描けるところもまた良いですね。今回は無機質なピンポン球を持ってもらい、手の柔らかさとの対比も表現のしどころです。順調なスタートです。

午後クラスは、名画の模写をキャンバスにアクリル絵の具で行います。
今週は鑑賞の授業も兼ねて、様々な巨匠の作品をじっくり画集で見てもらい、自分が描く絵を1点決めてもらいました。自分で描くという目線で見ると、絵を見る真剣さも変わりますね。下地も塗りましたので、来週から描き始めますよ!

木版画カレンダー(13)/コロコロカレンダー(10)

今週でレッスンも年内最後。カレンダーも続々と完成しました。
どの作品も力作ですので、毎月見るのが楽しみになりますね。1年間大事に使ってください。
今年もいろいろな課題をみんな良く頑張りました。お正月に作品を自慢してね。
それでは良いお年を!?

木版画カレンダー(12)/コロコロカレンダー(9)

午前クラスの木版画カレンダーは、印刷所のようにどんどん刷っています(笑)。
乾燥させている風景も圧巻の光景ですね。
墨を使った伝統木版は刷り師という職人がいるほど、非常に奥が深い世界です。
墨が多すぎると滲んでしまい、糊が多いとべたっとつぶれ、少ないとかすれる。。自分の感覚を頼りに、少しずつ加減を調整していきます。とても繊細で難しい作業ですが、8枚刷るうちにみんなしっかり体得した様子です。満足いく一枚が刷れたかな?

午後クラスのコロコロカレンダーはもう完成間近。次回完成作品をご紹介します。

木版画カレンダー(11)/コロコロカレンダー(8)

寒くなってきましたね。いよいよ今年も大詰め。カレンダー制作も佳境に入ってきました。
午前クラスは続々と刷りの作業に入り、写真を撮る間もない忙しさ(笑)。
ということで写真は、刷りがひと段落ついて、版に修正彫りをしている様子です。試し刷りの結果を見ながら、彫り足りなかった所や描き加えたい箇所を更に彫ります。
一気に本番も刷って終わらせたい!という気持ちをぐっとおさえて、このステップを挟むことでさらに作品のクオリティを上げていきます。

午後クラスは今週は12か月分のうち10か月分の絵を描ききることを目標に、でも雑にならないように、一枚一枚丁寧に進めていっています。
机上に写真や図鑑を広げている様子が写っていますが、今回のようなイラスト風の表現でも何かしら資料を見て描くようにしています。たとえばクリスマスのトナカイ、何も見ずに描くのは大人でも難しいですよね。ましてやまだ視覚経験の少ない子供たちは、今はたくさん見て吸収するのが大事ですので、わからないものは見る癖をつけています。今回は特に描きたい絵に合わせて自分で資料を用意してもらっています。資料集めの習慣は大人になっても活きてくると思います。

木版画カレンダー(10)/コロコロカレンダー(7)

午前クラスの木版画は、試し刷りに入る子が出てきて忙しくなってきました。
実は小学校で行うローラーで油性インクを塗る木版画は「西洋式」です。今回は、葛飾北斎や東洲斎写楽など江戸時代の浮世絵と同じ「伝統木版画」という手法で、墨(+水彩絵の具)と糊を版の上で刷毛で混ぜ合わせて塗り、刷ります。墨の量の加減や紙の置き方等、慣れが必要なところもありますが、初めてにしては良く刷れていました。
今日刷った試し刷りを見ながら、版に修正の彫りをして、次回本番を刷ります。

午後クラスのサイコロカレンダーも、今回のルール「二つの要素を組み合わせる」にそって、みんなユニークな絵が生まれてます。色も綺麗ですね。
背景や広い面から塗る事や、黒を使わずグレーを作る方法、手前の主役を目立たせる背景の色との組み合わせ、立体感の出し方等々、カレンダーは枚数が多い分、色々な状況の絵を描く事になるので、学べる事も多いです。以前やったグラデーションの復習をしたり、ウェット・イン・ウェットといった水彩の技も使ってみたり…。成長が楽しみです!