写真模写(自画像)1/グラデーションの絵5

せっかくの運動会・体育祭シーズンですが、天気が安定しませんでしたね。
午前クラスは今週から新しい課題、「写真模写」です。「名画の模写」は何度か経験した子もいますが、今回はモノクロでプリントした写真を元に鉛筆デッサンで模写を行います。
先週、あらかじめ生徒自身の顔を1人ずつ撮影したものが題材ですので自画像ですね。以前マスクをした自画像なども描きましたが、通常自画像を描くときは昔から鏡を使って描きます。それに比べると、写真は動きませんし、すでに立体から平面に置き換わっていますので、平面から平面に写すのは割とハードルが低い…はず(笑)です。あとなにより、写真模写はカメラならではの豊かで滑らかな階調や、冷静な描写を再現したり、目で見て描くのとは違った学ぶことが多くあります。楽しみ。

午後クラスのグラデーションの絵は「名前の街」の下書きを終えて、壁の色塗りに入りました。壁は練習でやった明度のグラデーションで塗ります。斜めの壁に沿った向きで1ストロークずつ少しずつ白を混ぜて明るく(または、色を混ぜて暗く)しながら、綺麗なグラデーションになるよう丁寧に塗っていきます。一壁塗るうちに段々と筆づかいや絵の具の混ぜ具合が上手になってきています。その調子!

籐かご2/グラデーションの絵5

午前クラスの籐かごは、先週コースターを編んだ後、同じ編み方でかごの底面を編んだところで終了しましたので、その続き。底面をひっくり返して、徐々にたて芯を上に起こしつつ編んで立体的にしていきます。ここから先、編む時の力加減次第で、人によって広い皿状に広がったり、縦にスーッと伸びたり、ころっと丸く仕上がったり、同じ編み方とは思えないほど色々なバリエーションが生まれます。面白いですね。
慌ただしい中でしたが、最後、持ち手をつけて素敵な手さげができました?。完成作品をご覧ください!

午後クラスは本番の画用紙に下書き。鉛筆でアタリをとり、良い形が描けたら、ペンでなぞります。風景写生など普通の水彩画では輪郭線をペンでなぞることは通常しませんが、ポスターや今回のようなデザイン画の時は、輪郭線をはっきりさせてあげた方が見栄えがします。ここまでで垂直線、平行線、パース、斜めの壁の面にそって窓を書く方法など、自然にたくさん学んでます。来週から色塗りに入りますよ!
籐かご完成作品2022年5月14日2022年5月15日

籐かご1/グラデーションの絵4

午前クラスは新しい課題「籐かご」に入りました。籐はラタンとも呼ばれて、今回作る「かご」のほかにも、小物から家具まで編み方によって色々なものが作れます。
教室でみんなが普段制作している絵や彫刻は「美術」ですが、籐は「工芸」というジャンルになります。工芸には他にも、陶器、漆器、刀など「使えるもの」のことを呼びます。先生たちも専門は美術ですが、美術と工芸はお隣さんのような、境目もはっきりとない世界ですので、経験してみましょう。今日はかごの前の練習で「コースター」を作りました。上出来!

午後クラスのグラデーション課題は、名前を立体的なビルにして自分の街を作る「名前の街」のエスキース(下絵)を仕上げました。綺麗ですね。
屋上部分が色相(色あい・例えば黄色〜赤)のグラデーション、壁が明度(濃い〜薄い)のグラデーションで色鉛筆を使って色彩設計を練りました。隣り合う色が同じにならないように、またグラデーションの方向も気をつけて、自分の好きな色を探ります。来週から本番の紙に水彩で描いていきますよー。

コラージュ完成!/グラデーションの絵3

午前クラスのコラージュが完成しました!個性満載な面白い作品ぞろい。細かいですので是非拡大して見て下さい。見飽きません。
コラージュで学べることの1つに「画面の意識」というものがあります。普段静物や人などを描いていると、「主役」を描くことに一所懸命になって、それ以外の「余白」の部分がいい加減になることが多々あります。余白や背景も四角い画面の要素として、主役と同等に扱ってあげるのは絵においてとても大事な感覚です。その点、今回のコラージュはどう素材を配置するか、常にバランスや流れを見ないといけませんので、みんな常に画面全体に神経を張っていました。この感覚は次に活かされるはずです。もうひとつ!これはコラージュ本来の目的ですが、ごくありふれたものも予想外の組み合わせで全く新しいイメージが生まれることがあります。自分1人でゼロから考えるだけでなく、組み合わせの妙による新しい発想は、自由制作にも生かせますし、アートの真髄の1つと言えます。面白さを味わえたかな?

午後クラスはグラデーションによる名前の街の下絵を描いてアイデアを練っています。結構頭を使いますが、みんな順調ですよ〜。頑張りましょう!

コラージュ2/グラデーションの絵2

午前クラスはコラージュ二日目。切り抜いた素材もたまってきましたので、貼る前にひとまず、今回使用するB3のケント紙ボードに並べてみます。色や形のバランスを見たり、面白い組み合わせを探したりしながら、図像をどう配置するか考えます。
偶然性を楽しみつつも、いろいろな方向に頭を働かせて楽しくも疲れる作業かと思います。答えはありません。どんな絵が自分にとって格好いいか、好きか、面白いか…試行錯誤する非言語的な右脳の思考です。皆さんも雑誌や新聞の切り抜きを気楽にノートに貼って絵作りしてみては?頭の体操になりますよ!

午後クラスのグラデーションは練習の明度のグラデーション、色相のグラデーション作りが終わりました。4列グラデーションを作るだけで、水彩絵の具の水加減や、色の作り方、筆の扱い方等みるみる上手になりました。自分で上手くいっていないところをこだわって直したり、グラデーションは自分で一目で気づけるのが良い所ですね。来週から本番の名前の街の制作に入りましょう!
コラージュ制作風景2

草間彌生

草間彌生

上原木呂

上原木呂

グラデーション制作風景

コラージュ1/グラデーションの絵1

新しい課題に入りました!
午前クラスは「コラージュ」です。絵は描くばかりでなく、貼ることでも作れます。「貼る」とは言っても、コラージュとちぎり絵は少し違って、ちぎり絵は1つの風景などを絵の具の代わりに色紙を貼って描くのに比べ、コラージュは印刷物など様々な素材から切り抜いた写真や文字を貼ることで、その偶然の出会いから発想をふくらませて絵を作っていきます。
先々週から、みんなには課題を予告しておいて、素材集めをしてもらいました。雑誌、新聞、広告、包装紙、図鑑や大事な本はコピーをするなどして、自分が気になるものを集める。実はそこからすでに制作です。みんな素材に趣味が出ていて面白いです。楽しみ!

午後クラスは、水彩絵の具を使った「グラデーション」の絵の課題に入りました。最終的には「名前の街」という作品を作りますが、それはまた今度説明します?。今週は準備練習として、色の明度(明るい〜暗い)と色相(色味、例えば赤〜黄)のグラデーションをやってみました。水彩絵の具は小学校教材として使われていますが、意外にも失敗したらやり直しも効かない難しい道具です。今回の課題を通して、混色や水加減、筆さばきなどを身につけて、色への理解も深めていきましょう!

ハンナ・ヘッヒ

ロバート・ラウシェンバーグ

グラデーションの絵(完)

(講師が展覧会などで忙しく更新が滞ってしまいました。申し訳ありません。)

さて午前クラスのグラデーションの絵が完成しましたー。?
それぞれの絵にストーリーや世界観があって良いですね。そして綺麗。
この課題の良いところとして、色相環や明度、補色など色への理解が深まるのもありますが、何より色への恐れがなくなって自由になることが嬉しいです。
空は青!、建物は灰色!である必要は全くないんです。絵の世界観の中でおかしくなければ良いんだということを実感してくれた気がします。

午前クラスは「転写」による絵画を作っています。カラーコピーや新聞、雑誌などの印刷物をアクリル絵具のジェルメディウムで貼り付け、乾燥したら紙の繊維をはがすことで、インクだけを画面に残す技法です。図像の予想外の組み合わせで面白い絵が生まれたりする、少し偶然性も利用した「描かない絵」です。アメリカのアーティスト、ロバート・ラウシェンバーグ(一番下)がこの技法で有名です。単純に格好いいですよね。

2019Sep1_転写制作風景 ロバート・ラウシェンバーグ

名画の模写(完)/グラデーションの絵(10)

模写が完成しました!
人物画はちょっとした筆致のずれで顔の表情が変わったりと、ハードルが高かったようですが、みんな本当によく粘りました。結果も大事ですが、模写を通して1つでもテクニックや表現のヒントを盗めたら大成功だと思います。次の絵に活かせますからね。
グラデーションの絵も来週には完成します。すごく密度のある絵になってきてます。お楽しみに〜。


グラデーションの絵制作風景

名画の模写(7)/グラデーションの絵(9)

レッスン中の写真を撮りそびれましたので、完成間近の途中経過をお見せします。
みんな頑張っていますね!

さて名画の模写は、実は美術の教育では割とアカデミックなものと捉えられがちです。あえて行っているのは「小・中学生の頭の柔らかいうちに、古典から印象派、ピカソくらいまで模写を通して、さくっと飲み込んでしまったほうが、その後のアートを理解するのに良いのでは?」という思いからです。胎児が魚から両生類、哺乳類と進化の歴史を追うように成長するのと同じく、模写を通して美術史をなぞることで、のちには難解と思われがちな現代の美術への理解にも自然とつながると思います。ともかく、みんな名画にしっかり食いついて、多くを吸収しているように見えます。

グラデーションの絵もだいぶ密度が上がってきました。何より、筆さばきや、絵具の薄め具合、混ぜ方、色の調整、色相環といった多くのことを身につけてくれているのが嬉しいです。今後生かされること間違いなし?
名画の模写〜途中経過グラデーションの絵〜途中経過

名画の模写(6)/グラデーションの絵(8)

模写は中盤に差し掛かり、だいぶ絵の全体像が見えてきました。
細かいですし大切な部分なので、顔は最後にとっておきがちになります。ですが、描かないことには全体のバランスもとれませんし、お手本の名画も大抵は顔が一番描きこんでいます。
油絵やアクリルは素晴らしいことに何度失敗しても上から描けますし、トライ&エラーの繰り返しが上達への近道ですので、恐れずにとりあえず描いてみる事が大切です。

グラデーションの絵は、どんどん皆要領を得てきています。
色を混色して作り、お試し用紙で色を確認し、はみださないようきっちり塗る。色のグラデーションを黄→赤→紫と色相環にならって色を移動させていく(黄→紫のように飛ばすのでなく)。壁の角度やカーブ、パースにあわせて塗るストロークの方向も合わせる…等々、一連の流れの中の細かな制作ポイントをしっかり身につけてきています。