今年も始まりました。
緊急事態宣言が発令されましたが、当教室は日頃から静かに制作しますので、昨年に引き続き、手洗い・消毒・換気につとめつつレッスンを継続してまいります。どうぞ、ご協力のほどよろしくお願いします。
さて、今年最初の課題は、午前午後クラスともに模刻です。
午前中は自分(または家族)の靴をモチーフに、午後はリンゴをモチーフに石粉粘土で作ります。
「模刻」とは、まねして彫刻をつくること、ものを見てそっくりに作ることを言います。デッサンの立体版と言って良いです。
絵は一方向から見て似れば良いですが、模刻はどこから見ても形が合うように、ぐるぐると色々な角度から見て作らないといけません。
今日はどちらのクラスも、まずエスキース帳に何度も色々な角度からスケッチして構造をよく観察。その後、大まかな形と量(ボリューム)を粘土でつかむところまでを目標に頑張りました。その際の一番大事なところは、形の変わり目、「構造線」を見究めることなのですが、皆さん…わかったかな?
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自刻像(完成)/名画の模写(完成)
自刻像と名画の模写の完成作をご紹介します。
自刻像は、細部までしっかり作り込みました。顔を目、鼻、口、とパーツで観念的に見るのでなく、地形のように複雑に連なった面の起伏としてとらえて、一つ一つ「面の向き」を見る大切さがつかめたら成功です。確実に次に絵を描くときにも活かされてくるでしょう。
午後クラスの名画の模写では、名画との長期間にわたる対話が、良い経験になったのではないでしょうか。実は「作品を見る」という鑑賞体験は、美術を理解する上で「作る/描く」以上に大切な事です。(学校の授業では残念ながら軽んじられてしまっていますが…)
絵の具使いもとても自然になりました。アクリル絵具は油絵具とも同じく、水彩と違って失敗しても何度でも上から重ねて描くことが出来るところが優れた点ですので、諦めず何度でも粘って描くモチベーションと思い切りの良さが大事です。作品からも熱量が感じられますね。
自刻像(2)/名画の模写(5)
今週も引き続き、午前クラスは自刻像。午後クラスは名画の模写を進めています。
自刻像は「粗付け」といって、大まかな肉付けをする工程です。大きな脳がつまっている頭部は思うより奥行きがあることなど、頭蓋骨の図を見せながら話しつつ、人間の頭の構造を意識して進めていってもらってます。ぐっと人間らしくなってきました。目、鼻、口を作りたい気持ちを抑えて、大きな形/塊/ボリューム感をつかんでいきましょう。
午後クラスの模写は、少しずつ細かい作業に入ってきています。細かい描写に入るとどうしても明暗のバランスが本物の絵と違ってきてしまったりします。
「部分を描きながらも全体を見る」、とても高度ですが絵を描くには必須な感覚で、もしかすると色々な世界で活かせる感覚かと思います。身につくといいですね。がんばりましょう〜。
転写による絵画(完)/自刻像(3)
午前クラスは印刷物の転写を用いた絵が完成しました!
転写はそれ自体でも面白いですが、実はこの課題で大事なところは、転写でできた色々な画像をヒントにさらに絵を描くところです。
形を強調したり、線のストロークでつなげたり、触発されて自由な形が現れたり…etc. 手を加えることで、バラバラだった要素がつながって一つの絵になります。
色々なものが見えてきて飽きないですね。
午後クラスは、石粉粘土で自刻像を作っています。自刻像とは自分の顔をモチーフにした彫刻で、自画像の立体版です。
今後、平面の自画像にもチャレンジする予定ですが、その前段階として、立体の「顔」から立体の「彫刻」にする方がもっと直感的にできるのでは?という試みです。
みんな人間の顔の作りを一所懸命観察しています!

アクリル自画像完成(2)/石膏の抽象彫刻
自画像と、石膏の抽象彫刻の完成作品です。
自画像はそれぞれ描き口に個性が出てきていて面白いですね。
抽象彫刻は、ほぼ偶然にうまれた形から、どう触発を受けつつイメージを広げ、ペイントしてユニークな作品に仕上げていくかが勝負です。「何か足りないんだよなあ〜」と悩む時間が良いですね。
今回の自画像のような「見て」「描く」作業と、石膏のような抽象的・創造的作業とでは、実はだいぶ使う頭が違うようで、人によって得手不得手が大きく分かれます。
ですがこの二つは、外の世界から吸収する/中から生み出す、という芸術(に限らず全てでしょうが)の二本の大事な柱です。
苦手だな〜、と思っても両方育てていきましょう。
(参考作品はニキ・ド・サンファル)
サザエの模刻・完成
今年度も今日で終わり、明日は新元号発表!と世間はいろいろ騒がしいですが、子供達はじっくりサザエと向き合って、今週完成しました!パチパチ👏
みんなすごく頑張ってモチーフに食いついてくれました。ありふれたサザエの殻ですが、その複雑な色や形、規則性などなど、自然物に向き合って多くを学びとることがすごく大事な経験に思います。
親御さんがどちらが本物か本気で分からなかったりした時の、子供達の満足そうな顔が印象的でした。
次にサザエを食べるときに、思わず殻に目を取られてしまうかもしれませんね〜(笑)。
サザエの模刻3
サザエの模刻2
サザエの模刻1
石彫完成/木彫時計完成!
石彫7/木彫時計7
石彫6/木彫時計6
石彫4/木彫時計4
みんなレッスン時間いっぱいまで真剣に彫ってます。集中してる顔っていいですよね。
木彫は浮き彫りの作業もだんだん進んで、物と物の重なりを段差をつけることで表現していきます。奥行きが出てきてまさに面白いところです。
石彫は四角い石から大まかな形がだいぶ見えてきました。石彫は三次元的イメージをしっかり頭に描くのが一番難しいのですが、見えてくれば、あとは、どんどん理想的な形を追って削っていくのみです。削りすぎないようにだけ気をつけて頑張ってね。
制作とは別の話ですが、今の課題は木彫レリーフも石彫も、作業の後には、木くずや粉といったゴミがすごく出る😭のですが、みんなちゃんと協力して掃除したり椅子を片付けたり台を拭いたりと、素晴らしくて感心です。そういうことも大事ですよね。