静物とA4コピー紙の想定画4/静物画4

さてこの課題も4回目。中盤です。
午前クラスは静物をコピー紙と構成して描く、午後クラスは静物として描く、という違いはありますが、どちらもそれぞれ「自分なりのいい絵を描こう!」という事に変わりありません。この「いい絵」というのが何なのか、答えはありません。そこが美術の面白さですね。
確かに、絵には、いい/イマイチ はあります。ですがその「いい絵」の種類は百人百様です。みんな絵とモチーフと自分と対話して自分なりのいい絵を模索しています。自信を持ってどんどんチャレンジしていきましょう。

静物とA4コピー紙の想定画3/静物画3

今週は途中経過をお見せします。みんな下地作りをしています。綺麗ですね。
ぱっと見、何が描いてあるかわからない!なんでこんな色々な色を塗るの?と思われるかもしれませんが、緑色の瓶だから絵の具の「緑」、ヤシの実は絵の具の「茶色」、と思うのは単純すぎます(人の肌も「はだいろ」で塗るのは要注意ですよ)。よ〜く色を観察すると、瓶の緑にも光と影や透けて見えたり反射したりで、色々な色味が見えてきて、それはモチーフどこをみても同じです。目に映る世界は頭で思うよりずっと複雑です。
あともう1つ、絵のためには瓶の色が別に赤くなっても構わないのです。工夫次第で自分の好きにして良いところが写真とは違う絵の自由度です。
写真みたいな絵!とよく言われますが、決してそればかりが価値じゃないですよ〜。
美術館に行って色々な絵を見ましょ〜う。

静物とA4コピー紙の想定画2/静物画2

午前クラスの紙と静物の構成アクリル画は、コピー紙を切った穴から覗いてみたり、ちぎって細かいオブジェを作ったり、落書きを描いて組み合わせたり、ちぎって偶然できた形をレイヤーで重ね合わせたり……色々アイデアが出揃ってきました。
方向性が見えてきた人から、下地作りに入っていますが、この辺りはもう一度エスキースに戻るなど、午前クラスは経験値がありますので、それぞれのペースに任せています。楽しみ!

午後クラスは、アクリル画が初めての生徒さんもいますので、下地作りを実演。改めて言うと、絵に正解はありません!下地もイエローオーカー(黄土色)一色で塗ったり、全く塗らなかったりと様々なのですが、中間トーンの下地があるとそれを基準に明るい部分、暗い部分と描き進めやすいので、ひとまず何色か好きな色を重ねながら雰囲気作りをしつつ中間トーンを作る方法をやってみました。アクリルや油絵が水彩と大きく違うところが、厚みをもたせてどんどん絵の具を重ねられるところです。恐れず絵の具を乗せていきましょう!
構成アクリル画-静物とコピー紙 アクリル静物画

静物とA4コピー紙の想定画1/静物画1

急に秋めいてきましたね〜。教室は全クラス新しいアクリル画の課題です。
実は、午前も午後も同じ静物モチーフを使用しています。瓶入りのペリエ/ヤシの実/紙風船/プラコップ/縄跳び/布からなる割とシンプルなモチーフ。

応用クラスの午前は、そこに一捻り!静物と(各自に配布された)A4コピー紙を自由に組み合わせて描くこと。それがお題です。
紙には、書いたり、クシャッと丸めたり、破いたり、切ったり、透かしてみたり、色々な特徴や機能がありますよね。まずはその分析をしつつ、紙をどう使って静物とどう組み合わせたら「良い絵」ができるか?を考えます。
紙をいじりながら、エスキース帳にああでもないこうでもないとアイデアを書き留めて試行錯誤中です。ただ静物を描くのと比べぐっと難易度が上がってます。がんばって!

午後クラスは、まだ初めてアクリルで絵を描く生徒さんも多いですので、とりあえず絵の常識(?)を学びましょう。(実際は常識は踏み外してこそのアートですが、踏み外すためには常識をまず勉強…)。
構図、デスケールの使い方、モチーフ全体を見ること、パース、順光・逆光、正中線等々いっぱいありますね。一気に学んでいきますよ〜。

コラージュ(混合技法)完成!/人物クロッキー

午前クラスのコラージュが完成しました〜。
コラージュは構成力を鍛えられます。切り取った様々な要素を、どういう配置、動き、バランスで配置するか。音楽的なリズム感も求められます。レッスン中に口を酸っぱく伝えたのは、離れた時の明暗の大きな構成。絵はまず遠くから見ると明るい暗いの情報が目に入り、次に近づくにつれ色や細かなディテールが目に入ります。なのでポスターなどは遠くからもわかるインパクトのある明暗構成をしているはずです。離れても良く、近づくとまた面白い、というのが2度美味しい良い絵、となります。どの作品も力作ぞろい。たくさん要素が詰まっていますので、ぜひ拡大して見て下さい〜。

午後クラスは今週1回で、人物クロッキーを行いました。クロッキーは早く描く練習です。デッサンがマラソンならクロッキーは短距離走。10分、8分、5分とだんだんポーズ時間を短くして、モデルさんを交代しつつ描きました。細部にとらわれず、勢いのいい線を描くために今回はコンテを使用。クロッキーは日々の基礎練みたいなものなので、鉛筆や筆ペンでも良いですので、ぜひお家で気楽にやってみて下さい。(先生たちも腕が鈍ってました・笑)

コラージュ(混合技法)3/模刻(薪)完成!

午前クラスのコラージュは、パーツを切っては当ててバランスや流れ、重なりを考えつつ貼ってみたり、何か物足りなかったら違う素材を探してみたり、絵の具で上から加筆したり、スパッタリング(絵の具のハネを利用した手法)したり…と対話しながら進めています。あと1回ですが、だんだん全体感が見えてきましたね。

午後クラスの薪の模刻は、今週で完成!
「そっくり」とか「超絶技巧」が世間的には絵や彫刻の価値観としてわかりやすくて褒められますが、美術はそれだけではありません。ですが!今回の課題は本物と見間違えるほど寄せていくのが目標でした。そうすることで、自然の造形から複雑な形や色を学ぶことが狙いです。ぱっと見粘土で作ったとはわからないですよね〜すごい!

コラージュ(混合技法)2/模刻(薪)6

午前のコラージュは、どんどん素材を切り集め、組み合わせ、イメージを膨らませています。(混合技法)と書いたのは、既にコラージュ課題を経験した人は今回積極的にアクリル絵具と組み合わせて、より絵の1手法として柔軟に取り入れてもらいます。絵の具を塗ったり、貼ったり、輪郭をなぞったり、たくさん紙を貼り重ねたテクスチャの上に線描で絵を描いたり、どう料理するかは自由です。
ただ、まっさらな状態から絵を描くより、誘発するきっかけが出来ると楽しいはずです。今回はアメリカの写真家ピーター・ビアードをご紹介。ケニアに住み、象などの乱獲問題を取り上げつつ日記形式のコラージュ作品で有名です。すごいインパクト!

午後の薪の模刻着彩は、来週終了なので、ほぼ今週で完成に持っていきたいところです。
講師も、指導の片手間に、一緒に参考作品作りを兼ねて着色してみましたが…いや大変ですね〜。みんなよく頑張ってると思います。木のくすんだ複雑な色を絵の具で表現するには、ドライブラシやグレーズといった技法もありますが、よ〜く観察して何度も何度も根気強く塗り重ねていくに尽きます。とにかく素直にみて、似せようと努力する。そう言う意味では素直に世界を見れる子供達の方が上手です、、汗。
来週は年輪を描いて仕上げです。楽しみ!

Peter Beard

Peter Beard

コラージュ(混合技法)1/模刻(薪)5

午前クラスは今週からコラージュです。フランス語でパピエコレ(糊で貼ること)。絵は絵の具で描くばかりでなく、新聞、雑誌、包装紙、布、糸などを糊で貼ることで作ることも出来ます。古くはピカソやブラックが始めたとされ、シュールリアリズムのアーティストたちは関係のない画像を貼り合わせて偶然出来たイメージの出会いからインスピレーションを得ていました。ロバート・ラウシェンバーグや日本では大竹伸朗さんも有名です。好きなアイテムを集めても、色や形で選んでも良いので、どんどん素材を切って貼って絵作りしましょう〜。

午後クラスは、薪の模刻がしっかり乾燥しましたので、今週からアクリル絵の具で着色。あえて、茶色は配りませんでした。というのも、空は空色、肌は肌色、木は茶色、葉っぱは緑色、と塗るのは観念的で単純になってしまいます。絵でも心しておきましょう。自然の木に同じ茶色など1つもありません。赤青黄緑紫オレンジ白を混ぜて作ります。そっくり見分けがつかなくなるのを目標に頑張りましょう。

想定アクリル・靴のある風景・完成!/グラデーションの街2

午前クラスの「靴のある風景」が完成しました〜‼️
同じ言葉をテーマに、これだけヴァリエーションに富んだ絵がそろったことにびっくりです。中学生でこんな絵が描けるなんて(正直なところ、先生たちも中学時代にこんな表現はできていません…)みんなの成長を実感しました。
「靴のある風景」と聞いたら、どこかに靴が置いてある様子を描く、のが一般的だとは思います。ですが、その言葉を出発点に自由に想像力を働かせ、面白い/美しいと思う「自分の視点」に引き寄せ、絵画的狙いを持って、また偶然生まれた絵の具の表情や色を拾い上げ、自分の理想とする絵に近づけるか?が大切です。
みんなもうしっかり美術を理解しています。嬉しいです👏。

午後クラスの、グラデーションの街の絵は、自分の名前(苗字か名前)をカタカナかアルファベット(3〜4文字)で配置して、それを立体的なビルにします。今週は本番の絵柄を考えるエスキースに入りました。絵柄が決まったら、グラデーションの配色を色鉛筆で考えます。文字のレタリング、パース(遠近法)、色(色相、明度)と学ぶことがいっぱい。この課題を終える頃にはだいぶ絵のことがわかると思いますよ〜。

 

「グラデーションの街」制作手順

 

想定アクリル・靴のある風景6/グラデーションの街1

午前クラスの「靴のある風景」は、今週含めあと2回。どんどん描き込みたいですが、絵には「説明的すぎる」という価値観もあり、全部はっきり描いて説明すれば良い、とは限りません(ややこしいですね!)。とはいえ、描かないでは、弱い表現になってしまいます。ということで、ひとまず靴のディテール(細部)を描いてみましょう!というのが今週のテーマです。靴や手前のものを描き込むと、質感が表現され、また見る人の目も自然にそこに向かうようになります。描いた部分がもし強くなりすぎたら、少し抑えるか、あるいは周囲もそれにつられて描きこんでいくのも良いと思います。つまり大事なのは常に「絵と対話する」こと。(濁ってきたな/あれ?ちょっと面白くなってきたぞ/色のバランスが崩れてきたかな/この辺が寂しいな、、)等々心の中で絵と駆け引きしましょう。

午後クラスは、「グラデーションの街」(過去参考作品)の課題に入りました。水彩絵の具のグラデーションをふんだんに用いた課題です。水彩絵の具は小中学校で使いますが、意外にも失敗できない難しい画材です。今回の課題は絵の具の量や水の混ぜ加減、筆さばき、と水彩の使い方と同時に、色の勉強をします。
今週は練習として、明度(明るさ)のグラデーションと、色相(色味)のグラデーションの2種類を帯に描いてみました。だんだん上手くなってますね。来週から本編に入ります!