人物クロッキー/コロコロカレンダー3

今週は午前クラスは久しぶりに「クロッキー」を行いました。クロッキーは日本語では速描といって、短時間で人を描く練習です。デッサンがじっくり長時間かけて形や明暗を描くマラソンのような感覚ですが、クロッキーは短距離のようなパッと形を捕まえる瞬発力を鍛えます。
今回初めての子も意外に多かったですが、10分ポーズ、5分ポーズとだんだん時間を短くして、合計10数枚描くうちにだいぶ慣れました。「ムーブマン(体の大きな動き)」と、関節の位置を見ること。あと人間の体から「自然な美しい線のリズム」を学ぶことがポイントです。レッスンではコンテを使いましたが鉛筆でもOKです。おうちでぜひ、家族がテレビを見てたり台所仕事をしてる隙にささっとコピー紙に描いて練習してね!

午後クラスは、コロコロカレンダーの本番の画用紙を切って、下描きに入りました。
小さくならないように良い構図を考えることと、主役以外の余白がただのベタ塗りにならないよう、背景や設定を具体的に決めたりと、いろいろ考えながら絵柄を決めます。たとえば花でも、描くものの資料は写真や実物など、みんなに必ず用意してもらってます。何も見ないで描けるほど視覚経験はまだなくて当然ですし、どうしても形が観念的になります。もし、ご自宅で絵を描いている子も実物を見ながら描くのをお勧めします!


透視法2/コロコロカレンダー2

最後の晩餐

午前クラスは前回、消失点が1個だけある1点透視法を学びました。荘厳なダ・ヴィンチの「最後の晩餐」などが有名です。今週はその第二弾、「2点透視法」。紙に水平線を引くまでは同じですが、前回との違いは左右両端に2点、「消失点」を作るところです。建物を斜めから見る時など、より身近な風景で見かける遠近法です。
垂直線から左右の消失点に向けて斜めの線を引き、適当な位置で垂直線で切ると左右の面の完成。上面や下面も同様に角から消失点に線を伸ばして決めます(言葉での説明は難しいですね?)。作品をご覧ください。この感覚を静物でも活かしてね。

午後クラスは、前回、言葉である程度図案のアイデアをまとめて、今週からは絵によるエスキースに入りました。季節のイベントで各月を埋めるのは簡単なのですが、みんなには自分の好みを発揮した自分だけの作品を作って欲しいですので、資料集めも含め頑張ってもらってます。アートは制作時間以外にも、普段からの観察や趣味、日常への関心も非常に重要なんですよね。常にアンテナ張っていきましょう!

透視法1/コロコロカレンダー1

今週から午前クラス午後クラス共に新しい課題に入りました!
午前はじっくり先週まで描いた静物とは少し趣向を変え、でも繋がっている、「透視法」について今週、再来週と2回で学びます。
すべての平行する線が地平線上の消失点(vanishing point)に向かって収束していく、という遠近法です。今週はまず「一点透視法」という消失点が1つのヴァージョンです。どちらかというと勉強的な課題ですが、おしゃれな作品ができました。
午後クラスは少し早めのスタートですが来年のカレンダー制作です。今年はコロコロカレンダー(作例)。今週は自分なりのテーマを考えて、オリジナリティのあるカレンダーになるようアイデアを練りました。みんなうんうんとうなりながら、頭をひねっていましたが、産みの苦しみは大事です。面白い作品ができるといいですね。
一点透視法9/11

コロコロカレンダー制作風景9/11

白い静物・完成/丸太のペン画・完成!

今週は素晴らしい作品がたくさん生まれました!!
午前クラスは同じモチーフからこれだけ多様な表現が生まれるとは感無量です。よくがんばりました?。
レッスン中も色々画集を見せましたが、表現には作品を見ることが大事です。美術館に行ってたくさん実物の絵を見ると、頭の引き出しにイメージが蓄積されて、自分なりの感覚が養われます。展覧会情報サイト()などで、今どんな展覧会がやっているか常にアンテナを張るのも大事ですよ〜。

午後クラスもよく描きましたね〜。
丸太のような自然物はこちらにどんどん描くことを促してくれます。絵に限らず、自然から学ぶ事はとても多いですので、自然体験や近所の公園でも色々観察する事をお勧めします。

白い静物7/丸太のペン画2

午前クラスは来週完成ですが、それでも臆せずみんな絵を大きく動かして、方向性を探っています。上から何度でも描いて描いて、自分にとっての「良い絵」を探るその試行錯誤の痕跡が、実は結果的に「良い絵」を作るんですよ?。そして今回の努力は確実に次の成長につながります。最後まで描き切りましょう!
午後クラスの丸太は、一旦ペン画は終了。ゴツゴツした樹皮や年輪、虫食いの跡までよく描いてます。観察力が強化されましたね。来週さっと淡彩(水彩であっさり薄く着色する事)をして仕上げますが、ペン画でも十分作品として成立していますのでお見せします。

白い静物6/丸太のペン画1

午前クラスの静物画。みんな各々どういう絵にするか試行錯誤しています。ただ受け身で描くのでなく、自分と絵とモチーフと対話をしながら絵を描く時間はなにものにも代え難い贅沢な時間です。あっという間に2時間過ぎてしまいますね。
午後クラスは今週から丸太のペン画に入りました。消せない細マジックでとにかく見える限りいっぱい描く。丸太は樹皮も年輪も描きごたえありますからね〜。みんな出だし好調!楽しみです。

白い静物5/サザエの模刻6

午前クラスの静物アクリル画は今週含めてあと3回。
最終日の前の週には一旦完成させるつもりで!といつも伝えている通り、今回、次回で一旦完成、残り一回はさらに詰めて仕上げる予定です。ですので、今週が山場?と言えます。予定通り順調に進めている子も、悩みつつ方向性を探っている子も、ペースはそれぞれですが、絵と(自分と)真剣に向き合って描いている時間は必ず成長につながります。結果がわくわくします。

午後クラスのサザエの模刻は完成しました〜!!どうぞ拡大してご覧ください。
サザエのような自然物は、形も複雑で色も微妙に混ざり合い、ひとつとして同じ色がありません。「なんか人工物っぽい〜」と葛藤する声も出ていましたが、今は自然をよく観察してその美しさ繊細さを自分の中に取り込んでいくのが何より大事です。真に迫る良い作品がそろいましたね。

感染者数が非常に増えています。お盆休みもみなさん気をつけてお過ごし下さい。

白い静物4/サザエの模刻5

午前クラス午後クラス共に今週は途中経過。
午前は真っ白のモチーフで、かつ使う絵の具は赤青黄の三原色+白のみという縛りがあるにも関わらず、いつもに増して色調が人によってそれぞれ違って良いですね。来月1ヶ月は時間がありますので、いろいろチャレンジしてみて、しっかり満足いくまで描き切って欲しいですね。

午後クラスのサザエの模刻は、今週から着色。とはいえ、いきなりサザエの色を塗るわけでなく、今日は下塗り。サザエの殻をよく見ると表面は石灰化して白くなっていますが、濡れ布巾で表面を濡らすとその下には紫・赤・緑など入り混じった暗い色があります。実際に子供たちも濡らして観察しながら、感じた色をアクリル絵の具で塗ってもらいました。カラフルですね!来週はこの上から白っぽい色を重色して仕上げます。アクリルも初めての子が多いですので、使い方もこの機にレッスン?

白い静物3/サザエの模刻4

静物は3週目。先週に続いて描き出しですので、細部や最終的な色にこだわらず、主にナイフや大きな筆を使って全体感・雰囲気をつくっていきます。
とはいえ、それは一般的な進め方で、人によって趣味も違いますし、どういう絵に仕上げたいか方向性も違いますので、それぞれに応じた進め方を相談しながら探っています。出だしはイメージを手探りする段階で一番大変ですが面白い時です。楽しみましょう。

午後クラスのサザエの模刻は、ツノや、渦を巻く筋など細部まで出来るだけ作って、粘土造形を今週で完了しました。表面は、ヘラで引っ掻いたり、筆や雑巾を押し当てたりして細かな凹凸をつけ貝殻らしいガサガサした質感を表現しています。来週からの着色にも活きてくるはずです!

白い静物2/サザエの模刻3

午前クラスの静物画はそれぞれに狙いを持った下地の上に、その人らしい描き出しに入りました。もう出だしから個性が出ていて素晴らしいです。個性というものは教えられるものではないですから、みんなが自ら見つけたものです。ちょっと感動?。
参考作品は長谷川りん二郎。ただ紙袋を描いた絵ですが、面白いですよね。様々な作家の作品に触発されるのも大事ですので、さりげなく合間合間に紹介しています。

午後クラスのサザエの模刻は、今週からディテールに入っています。ディテール、ボリューム、形、構造…美術では必ず出てくる言葉ですが、言葉だけで聞いていると嫌になりそうなところを、実体験を通して耳にすると子供というものはスルッと理解してしまいます。すごいですね。

長谷川潾二郎