名画の模写(完)/グラデーションの絵(10)

模写が完成しました!
人物画はちょっとした筆致のずれで顔の表情が変わったりと、ハードルが高かったようですが、みんな本当によく粘りました。結果も大事ですが、模写を通して1つでもテクニックや表現のヒントを盗めたら大成功だと思います。次の絵に活かせますからね。
グラデーションの絵も来週には完成します。すごく密度のある絵になってきてます。お楽しみに〜。


グラデーションの絵制作風景

名画の模写(7)/グラデーションの絵(9)

レッスン中の写真を撮りそびれましたので、完成間近の途中経過をお見せします。
みんな頑張っていますね!

さて名画の模写は、実は美術の教育では割とアカデミックなものと捉えられがちです。あえて行っているのは「小・中学生の頭の柔らかいうちに、古典から印象派、ピカソくらいまで模写を通して、さくっと飲み込んでしまったほうが、その後のアートを理解するのに良いのでは?」という思いからです。胎児が魚から両生類、哺乳類と進化の歴史を追うように成長するのと同じく、模写を通して美術史をなぞることで、のちには難解と思われがちな現代の美術への理解にも自然とつながると思います。ともかく、みんな名画にしっかり食いついて、多くを吸収しているように見えます。

グラデーションの絵もだいぶ密度が上がってきました。何より、筆さばきや、絵具の薄め具合、混ぜ方、色の調整、色相環といった多くのことを身につけてくれているのが嬉しいです。今後生かされること間違いなし?
名画の模写〜途中経過グラデーションの絵〜途中経過

名画の模写(6)/グラデーションの絵(8)

模写は中盤に差し掛かり、だいぶ絵の全体像が見えてきました。
細かいですし大切な部分なので、顔は最後にとっておきがちになります。ですが、描かないことには全体のバランスもとれませんし、お手本の名画も大抵は顔が一番描きこんでいます。
油絵やアクリルは素晴らしいことに何度失敗しても上から描けますし、トライ&エラーの繰り返しが上達への近道ですので、恐れずにとりあえず描いてみる事が大切です。

グラデーションの絵は、どんどん皆要領を得てきています。
色を混色して作り、お試し用紙で色を確認し、はみださないようきっちり塗る。色のグラデーションを黄→赤→紫と色相環にならって色を移動させていく(黄→紫のように飛ばすのでなく)。壁の角度やカーブ、パースにあわせて塗るストロークの方向も合わせる…等々、一連の流れの中の細かな制作ポイントをしっかり身につけてきています。

名画の模写(5)/グラデーションの絵(7)

これまで静物や風景などの名画模写はやってきましたが、人物画はそれより少し難易度が高いようです。特にダ・ヴィンチ、ラファエロ、フェルメール、アングルといった古典絵画は筆のタッチも描いた手順も見えないぶん大変(^_^;)。講師も一緒に考えながら一歩一歩進めています。
ちなみに、海外の例えばルーブル美術館やメトロポリタン美術館などでは、画家たちが本物の名画を前に模写をする光景を目にします。贅沢ですよね〜。
午後クラスのグラデーション絵画は壁の明度のグラデーションが終わった生徒から、屋上の文字部分に徐々に入り始めています。屋上部分は色相のグラデーション(例えば、黄色から赤など)で描きます。どんどんカラフルになってきています?。
急に暑くなりましたが、健康に気をつけましょう!

名画の模写(4)/グラデーションの絵(6)

名画の模写は、すでにどことなく何の絵か見えてきましたね。とはいえ、そこは名画。たやすく制覇はできません。じっくり絵と対話しながら根気よく頑張りましょう。
グラデーションの絵は、まず壁を明度のグラデーションで塗っていきます。思ったようにグラデーションにならなかったり、塗りが厚すぎたり、はみ出したり、角度が変わってしまったり…といろいろ四苦八苦していますが(笑)、辛抱強く頑張れば絵の具使いが格段に上手くなります。頑張ってね。

名画の模写(3)/グラデーションの絵(5)

午前クラスの模写は、地塗りとトレースを行いました。模写する作品をよく観察して、塗りの一番薄い所からチラっと見える下地の色を見つけて、キャンバス全体に塗ります。一般的な下地はイエローオーカー(黄土色)ですが、そこは作品によってまちまち。どういう順番で描いたのか、筆は丸筆か平筆か…等々、やはり作品をじっくり見て、作者になったつもりで想像していきます。

午後クラスのグラデーションの絵は、本番の紙に下書きをマジックで清書したところです。壁の傾きにぴったりはまるように窓を描くのは大変そうでしたが、最終的にしっかり立体的に描けました。宇宙人がいたり、魚が飛んでいたり、それぞれの世界観ができていて楽しみです。

名画の模写(2)/グラデーションの絵(4)

午前クラスは名画の模写に取り組んでいます。
画集から気に入った絵を1枚選び、アクリルで模写します。
今回は「人物画」に限定してみました。今までも自分で絵を選ぶようにしていますが、なぜか人物画は避けられてしまうんですよね(笑)。
今後、友達や家族の絵を描く機会には役立ちますし、何より「西洋絵画の歴史は人物画の歴史」と言っても良いほど名画が多いので、避けるのはもったいない!古典絵画など、難しそうな絵もありますが頑張りましょう。
午後クラスはグラデーションの絵を描いています。名前を立体的なビルにして描き、各面をグラデーションで彩ります。綺麗な文字のレタリング、パースなど少し図学的な理解、色の理解、一つの課題にいろいろ詰まっていて頭を使います。今週は下絵まで出来たところです。素敵な自分の街をつくりましょう!
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石膏の抽象彫刻(完)ほか

梅雨ですね。湿度が高いと絵の具の乾きが遅くなったり嫌になっちゃいます。
さて石膏の抽象彫刻は全クラス終了しました。またさらに見たことのない個性的な作品ができましたね〜。同じ課題なのにこんなにも違う結果が生まれるところが面白いです。

ほかのクラスは、模写を開始したり、グラデーションの絵の色彩計画を立てていたりとバラエティーに富んでいます?。また来週お伝えします!

アクリル自画像完成(2)/石膏の抽象彫刻

自画像と、石膏の抽象彫刻の完成作品です。
自画像はそれぞれ描き口に個性が出てきていて面白いですね。
抽象彫刻は、ほぼ偶然にうまれた形から、どう触発を受けつつイメージを広げ、ペイントしてユニークな作品に仕上げていくかが勝負です。「何か足りないんだよなあ〜」と悩む時間が良いですね。
今回の自画像のような「見て」「描く」作業と、石膏のような抽象的・創造的作業とでは、実はだいぶ使う頭が違うようで、人によって得手不得手が大きく分かれます。
ですがこの二つは、外の世界から吸収する/中から生み出す、という芸術(に限らず全てでしょうが)の二本の大事な柱です。
苦手だな〜、と思っても両方育てていきましょう。
(参考作品はニキ・ド・サンファル)

アクリル自画像完成(その1)

自画像の完成作品をご紹介。それぞれ皆よく粘って描き切りました。
これくらいかなあ?と思ったところから、もう一歩、さらに描き進めてみるとまた新たな領域に踏みこめるんです。みんなの様子を見ると多分少しその感覚をつかめた気がします。この一作でまた確実に成長していると思います。
石膏の抽象彫刻はまた来週ご紹介します。