木版画カレンダー(9)/コロコロカレンダー(6)

午前クラスの木版カレンダーも、だいぶ彫り進んできました。絵柄が見えてくると、グッと完成が近づいてきたように思えます。
今日は刷りの際に必要となる「見当」(一番下・参考写真)という部分も掘りました。紙を置く時の目印に使うものです。
刷りを目指して、もう少しがんばりましょう〜。

午後クラスのコロコロカレンダーは、12ヶ月分の絵を水彩で描くのが枚数が多く大変なのですが、1枚1枚描き進めていくうちに、慣れていって塗りも上達していっています。
一つの課題の中で成長が見られるのは嬉しいですね。

見当

木版画カレンダー(8)/コロコロカレンダー(5)

今週の様子です。
午前クラスの木版画によるカレンダー制作では、切り出し刀での作業が終わると、丸刀や平刀など他の種類の彫刻刀も使用していきます。
何より気をつけて教えていることは、実は「彫刻刀の持ち方」かもしれません。それぞれの彫刻刀で持ち方が異なり、持ち方が変だと上手く彫る事が出来ません。。基本ですから、しっかり覚えましょう。

午後クラスのコロコロカレンダーは、手前を引き立たせる為の背景との色の組み合わせや、筆の使い方、混色、陰影の表現などなど、水彩表現として学べることはたくさん。みんな上手くなってますよ。
早めにカレンダー課題に取り組み始めたつもりが、もう11月も中盤…早いですね。
がんばりましょう!!

木版画カレンダー(7)/コロコロカレンダー(4)

みんな集中して頑張っています?
午前クラスの木版画のカレンダーは、カレンダーの数字部分を彫り終えた子は、絵柄の輪郭の切り回し(切り出し刀でなぞる作業)に入っています。進んでいる実感のわかない地味な作業なのですが、大切な工程です。
午後クラスのコロコロカレンダー作りも、着色に入りました。絵のサイズは普段より小さいですが、その分塗りは細かくなりますので、はみ出したりしないないよう面相筆などの細い筆を使います。思いのほか時間がかかりますが、12枚と仕上げる枚数も多いので、どんどん塗っていきましょう!

木版画カレンダー(6)/コロコロカレンダー(3)

午前クラスは、みんな黙々とカレンダーの日付部分の彫りを行っています。
2ヶ月、60日分の日付を彫るのは結構大仕事ですね?。でもちょっと油断すると、6や8といった文字の◯部分が取れてしまったりするので気が抜けません。
でもこの反復練習のおかげで、みんなすっかり彫りの作業が板についてきました。
その調子で来週は絵の部分を頑張りましょう。

午後クラスのコロコロカレンダーは、先週まで考えたアイデア(エスキース)をもとに、L字に切った本番の画用紙に下絵を描いています。
今回絵を決める上で、一つ課題を出したのは、ただ季節のイベント(例えば鯉のぼり)を描いて終わりではつまらないので、「必ず何か二つの物を組み合わせること」。
これ、実はアイデアを考える発想術の基本で、大人のプロの世界でも同じです。
例えば、先々週にアップした見本では「栗を持つハリネズミ」(ただトゲトゲで似ているから・笑)のような。ただ栗を描くよりイメージや物語が広がりませんか?
ずいぶん個性的な絵が増えています。楽しみです。
木版画カレンダー制作風景(彫り)コロコロカレンダー制作風景(下絵)

木版画カレンダー(5)/コロコロカレンダー(2)

午前クラスの木版画はトレースが終わり次第、彫り作業に入っていってます。
学校ではおそらく丸刀や三角刀でいきなり彫ったかもしれませんが、一段ステップアップして、切り出し(下の写真)で、輪郭にそって切れ込みを入れていきます。
切り出しを使うと繊細で正確な表現が可能になり、表現の幅が広がります。
黒く刷る部分が「台形」になるように意識して(内側にえぐれてしまったり、欠けてしまったりしないよう)、切り出しを斜め外側に向けて入れていきます。(言葉だと表現が難しいですね…)
少し頭を使いますので最初は戸惑いますが、やっていくうちにだんだん慣れてきている様子です。浮世絵(江戸木版)の彫り師につながる伝統的な手法です。がんばりましょう〜。

午後クラスは、本番の画用紙を切ったり下書きのアイデアの相談をしたりで色々忙しく写真が撮れませんでした?。また来週ご報告します。

木版画カレンダー(4)/コロコロカレンダー(1)

台風19号による被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
午前クラスの木版画カレンダーは下絵の作成が終わった順に、版木の作業に移っています。彫った跡がわかりやすくなるように、表面を薄墨で色付けして、耐水ペーパーで磨いて下準備終了。さっそく下絵のトレースをしていってます。ここからの彫り&刷りがやっと木版の本番なのですが、もう「肩凝った〜」という子が続出?。がんばれ〜。

午後クラスは、コロコロカレンダーです。8つの立方体を組み合わせて作る形の変わる立方体。無限キューブやマジックキューブとも呼ばれます。
みんなとりあえず見本の作品をコロコロと動かして遊ぶのに夢中です。さて、自由な発想で、月ごとの季節感ある絵を12枚(!)描いていきましょう。ひとまずアイデア出しです。頑張って!

講師参考作品

木版画カレンダー(3)/自刻像(完)

午後クラスの自刻像が完成しました!
とても力強い作品たちがたくさん生まれました。まずたたずまいが良いですね。
目、鼻、口、耳、それぞれの構造を非常によく観察しているのがうかがえます。
そして実は彫刻にとって何より重要なのが、目立たない、言ってみれば何もない部分(例えばほっぺたや首すじ、顎の下の面など)の形や、筋肉のつき方がとても丹念に作られていて、立派な彫刻表現になっています。
午前クラスは引き続き木版画カレンダーの下絵に取り組んでいます。しっかり計画を立てないといけませんので意外に大変?。


木版画カレンダー(2)/自刻像(4)

夏も終わり、午前クラスは年末恒例のカレンダーに取り組み始めました。
今年は木版画。みんな一度は学校でも経験があるはずですが、当校では実はこれが初めて。
知ってるからつまらな〜い、と思うかもですが、みんなの知ってるローラーでインクをつける西洋式の木版でなく、今回取り組むのは浮世絵と同じ日本古来の木版画技法を学びます。うまくいくか、少しどきどきしますね。
とはいえ、刷りはまだまだ先で、今はひたすらアイデア出し。もしかすると一番辛いときかもしれませんが、産みの苦しみと思って楽しみましょう。

午後クラスは、引き続き石粉粘土を使った自刻像。だいぶ出来てきましたね。
特に自分の顔に似せる必要はないのですが、よく観察している証拠か確実に似てきてます。
耳のうずまくような形や、目の眼球とまぶたのつくり…等々、顔って見れば見るほど不思議な形をしてますよね。
みんなとても真剣に、色々な角度から自分の顔を観察して、粘土とやりとりしている姿に、すごいなと少し感動します。
木版画カレンダー制作風景9/28自刻像制作風景9/28

転写による絵画(完)/自刻像(3)

午前クラスは印刷物の転写を用いた絵が完成しました!
転写はそれ自体でも面白いですが、実はこの課題で大事なところは、転写でできた色々な画像をヒントにさらに絵を描くところです。
形を強調したり、線のストロークでつなげたり、触発されて自由な形が現れたり…etc. 手を加えることで、バラバラだった要素がつながって一つの絵になります。
色々なものが見えてきて飽きないですね。

午後クラスは、石粉粘土で自刻像を作っています。自刻像とは自分の顔をモチーフにした彫刻で、自画像の立体版です。
今後、平面の自画像にもチャレンジする予定ですが、その前段階として、立体の「顔」から立体の「彫刻」にする方がもっと直感的にできるのでは?という試みです。
みんな人間の顔の作りを一所懸命観察しています!


グラデーションの絵(完)

(講師が展覧会などで忙しく更新が滞ってしまいました。申し訳ありません。)

さて午前クラスのグラデーションの絵が完成しましたー。?
それぞれの絵にストーリーや世界観があって良いですね。そして綺麗。
この課題の良いところとして、色相環や明度、補色など色への理解が深まるのもありますが、何より色への恐れがなくなって自由になることが嬉しいです。
空は青!、建物は灰色!である必要は全くないんです。絵の世界観の中でおかしくなければ良いんだということを実感してくれた気がします。

午前クラスは「転写」による絵画を作っています。カラーコピーや新聞、雑誌などの印刷物をアクリル絵具のジェルメディウムで貼り付け、乾燥したら紙の繊維をはがすことで、インクだけを画面に残す技法です。図像の予想外の組み合わせで面白い絵が生まれたりする、少し偶然性も利用した「描かない絵」です。アメリカのアーティスト、ロバート・ラウシェンバーグ(一番下)がこの技法で有名です。単純に格好いいですよね。

2019Sep1_転写制作風景 ロバート・ラウシェンバーグ