自由制作〜画集の要素をとりいれて5/コロコロカレンダー8

午前クラスのアクリル画の今週のテーマは「模写にならないように」「自分の絵にしよう」です。
画集から要素を取りこもうとすると、うっかり模写のようになってしまいがちですが、今回の課題はあくまで自分の絵を良くする為に、名画を利用することが目的です。専門用語では引用やリファーなど言います。そんなに難しい事でなくて、長い美術の歴史は、脈々と続くまねの歴史とも言えます。好きな絵を真似して、自分なりに生かしていく。もう終わってしまいましたが、こんな展覧会もやっていました。(練馬区立美術館「日本の中のマネ-出会い、120年のイメージ-」

午後クラスのコロコロカレンダーは8枚着彩が終わり、もう少しです。色を三原色限定にしていることで、混色を学べているのはもちろん良い点ですが、色が全く濁っていないことが嬉しい発見です。大人の皆さんも知らないかもしれませんが、絵具はたくさん持っていれば良いわけではないのです。「混色は3色までね」といつもみんなに教えていますが、例えば、紫と茶色を混ぜてしまったりすると既に赤+青に赤+青+黄+黒が混ざって、当然色は濁ります。絵がみんな綺麗!

午後クラス・コロコロカレンダー

自由制作〜画集の要素をとりいれて4/コロコロカレンダー7

早いものですっかり秋になり、今年最後の課題に残された時間もカウントダウンに入っています。
午前クラスの名画の要素を取り入れたアクリル自由課題は、構成を参考にしている子や、モチーフを現代の身近な風景に持ち込んでみたり、画風を似せて描いてみたりと、自分なりの答え方で取り組んでいます。色々な方向で触発されて面白くなりそうですね。

午後クラスは水彩でコロコロカレンダーの着彩をしていますが、ひとつ書き忘れていました。今回は絵具を「赤・青・黄の三原色+白」だけしか使っていません!緑も紫も茶色もグレーも、全部混色で作ります。
1回のレッスンで約3枚仕上げないといけないスピード感と相まって、もう混色には苦労している様子が見られません。子供の吸収力はすごいですね。

土曜午前アクリル自由制作制作風景コロコロカレンダー制作風景

自由制作〜画集の要素をとりいれて3/コロコロカレンダー6

自由制作はアクリル絵の具で下地作りに入りました。
今回の課題は、名画から要素(構図や色調、画風、モチーフ等)をとりいれつつ、自由に自分の絵にすることが目標ですが、こういう事を美術の専門用語で「引用(リファー)」と言います。とても高度な事に挑戦しているようですが、誰かの絵に影響を受けて同じ構図で描いてみる、といったことは連綿と行われてきたことで、それが美術史を紡いできました。彼らもそういう意味で今、新たな美術史を作ってます!
ちなみに、たまたま先日行った銀座メゾンエルメスの展覧会で、リファーをふんだんに用いたクリスチャン・ヒダカという方の和洋折衷の面白い絵を見ました。東京に出る際は是非オススメです。

午後クラスのカレンダーは水彩の着彩に入りました。まだ水彩に慣れていない子もいますので、水加減や混色の感覚を覚えながらですが、がんばって1日に2枚半くらい仕上げていきます(大忙し😅)。水が多すぎて色がうす〜くなってしまったり、逆に水が少なすぎて絵の具がかすれながらベトベトに塗られてしまったり、ということがよくあります。「ちょうど良い水加減」を覚えると発色良く、かつス〜っと滑らかな筆運びで素早く描けます。がんばりましょ〜う。

自由制作〜画集の要素をとりいれて2/コロコロカレンダー5

午前クラスは先週たっぷり画集に浸りましたので、今週はどういう絵にしたいか少し自分に引き寄せて、具体的にエスキースを描いて決めていきます。
お家でも1週間考えて、必要になりそうな写真資料やモチーフを集めて持ってきてもらいました。多様な巨匠の名画に刺激されインスピレーションをもらったおかげで、持ってきた物もいつもの自由制作より面白く、これだけでも今回の課題の意味がありました。
漫画を読まずに漫画家になろうとするのが無理なように、絵画を見ないと絵は描けません。美術館に行って欲しいのはそういう理由です。ゴッホルドンコンスタブルモネ長谷川りん二郎まで、みんなそれぞれの自分が好きな絵の画風や色調、モチーフ、構成などにインスパイアされて作品を作ります。乞うご期待!

午後クラスのコロコロカレンダーは、12枚の絵で机がいっぱい(笑)。恐竜、野菜、ファッション、文化遺産、それぞれのテーマで描いています。
カレンダーのお絵かきとあなどるなかれ、12枚もの「絵」を一貫したテーマで、バランスよく、形も綺麗に、細部もきっちり鉛筆で描くだけでも多くを学べます。だいたい今週で12枚の下書きを終えました。来週から水彩で着色に入ります。色彩のことや、筆使い、まだまだ学ぶことがありますね。

自由制作〜画集の要素をとりいれて1/コロコロカレンダー4

午前クラスも年内最後の課題、毎年恒例、アクリルでの自由制作に入りました!
「自由制作」とは何を描くか、またどう描くかも自由。モチーフを持ってきても、自画像でも、写真資料を持ってきてもOK。今年の総まとめに自分の描きたい絵を、覚えた技術を活用して描きます。
今回はさらにもうひとひねりして、「自由〜画集の要素をとりいれて」がお題です。画集にある絵をなんらかの形でとりいれることが条件です。誰かの画風をまねてもよし、絵の一部分を背景に取り込んでもよし、どう料理するかは自分次第です。ひとまず、今週はどんな絵にするか考えを巡らせつつ、たくさん絵を見ました。能動的に見るとただ鑑賞するのとは真剣度が違います。そこも実はこっそり狙いのひとつだったり…😊。

午後クラスはコロコロカレンダー4回目。前回と合わせて、下描き8枚を描き終えるのが目標です。
面白いのは、1年分で12枚も絵を描いていると、その中で少しずつ成長しているところです。
構図やバランス、アタリの取り方、パースなど色々学んでいます!

人物クロッキー/コロコロカレンダー3

今週は午前クラスは久しぶりに「クロッキー」を行いました。クロッキーは日本語では速描といって、短時間で人を描く練習です。デッサンがじっくり長時間かけて形や明暗を描くマラソンのような感覚ですが、クロッキーは短距離のようなパッと形を捕まえる瞬発力を鍛えます。
今回初めての子も意外に多かったですが、10分ポーズ、5分ポーズとだんだん時間を短くして、合計10数枚描くうちにだいぶ慣れました。「ムーブマン(体の大きな動き)」と、関節の位置を見ること。あと人間の体から「自然な美しい線のリズム」を学ぶことがポイントです。レッスンではコンテを使いましたが鉛筆でもOKです。おうちでぜひ、家族がテレビを見てたり台所仕事をしてる隙にささっとコピー紙に描いて練習してね!

午後クラスは、コロコロカレンダーの本番の画用紙を切って、下描きに入りました。
小さくならないように良い構図を考えることと、主役以外の余白がただのベタ塗りにならないよう、背景や設定を具体的に決めたりと、いろいろ考えながら絵柄を決めます。たとえば花でも、描くものの資料は写真や実物など、みんなに必ず用意してもらってます。何も見ないで描けるほど視覚経験はまだなくて当然ですし、どうしても形が観念的になります。もし、ご自宅で絵を描いている子も実物を見ながら描くのをお勧めします!


透視法2/コロコロカレンダー2

最後の晩餐

午前クラスは前回、消失点が1個だけある1点透視法を学びました。荘厳なダ・ヴィンチの「最後の晩餐」などが有名です。今週はその第二弾、「2点透視法」。紙に水平線を引くまでは同じですが、前回との違いは左右両端に2点、「消失点」を作るところです。建物を斜めから見る時など、より身近な風景で見かける遠近法です。
垂直線から左右の消失点に向けて斜めの線を引き、適当な位置で垂直線で切ると左右の面の完成。上面や下面も同様に角から消失点に線を伸ばして決めます(言葉での説明は難しいですね?)。作品をご覧ください。この感覚を静物でも活かしてね。

午後クラスは、前回、言葉である程度図案のアイデアをまとめて、今週からは絵によるエスキースに入りました。季節のイベントで各月を埋めるのは簡単なのですが、みんなには自分の好みを発揮した自分だけの作品を作って欲しいですので、資料集めも含め頑張ってもらってます。アートは制作時間以外にも、普段からの観察や趣味、日常への関心も非常に重要なんですよね。常にアンテナ張っていきましょう!

透視法1/コロコロカレンダー1

今週から午前クラス午後クラス共に新しい課題に入りました!
午前はじっくり先週まで描いた静物とは少し趣向を変え、でも繋がっている、「透視法」について今週、再来週と2回で学びます。
すべての平行する線が地平線上の消失点(vanishing point)に向かって収束していく、という遠近法です。今週はまず「一点透視法」という消失点が1つのヴァージョンです。どちらかというと勉強的な課題ですが、おしゃれな作品ができました。
午後クラスは少し早めのスタートですが来年のカレンダー制作です。今年はコロコロカレンダー(作例)。今週は自分なりのテーマを考えて、オリジナリティのあるカレンダーになるようアイデアを練りました。みんなうんうんとうなりながら、頭をひねっていましたが、産みの苦しみは大事です。面白い作品ができるといいですね。
一点透視法9/11

コロコロカレンダー制作風景9/11

白い静物・完成/丸太のペン画・完成!

今週は素晴らしい作品がたくさん生まれました!!
午前クラスは同じモチーフからこれだけ多様な表現が生まれるとは感無量です。よくがんばりました?。
レッスン中も色々画集を見せましたが、表現には作品を見ることが大事です。美術館に行ってたくさん実物の絵を見ると、頭の引き出しにイメージが蓄積されて、自分なりの感覚が養われます。展覧会情報サイト()などで、今どんな展覧会がやっているか常にアンテナを張るのも大事ですよ〜。

午後クラスもよく描きましたね〜。
丸太のような自然物はこちらにどんどん描くことを促してくれます。絵に限らず、自然から学ぶ事はとても多いですので、自然体験や近所の公園でも色々観察する事をお勧めします。

白い静物7/丸太のペン画2

午前クラスは来週完成ですが、それでも臆せずみんな絵を大きく動かして、方向性を探っています。上から何度でも描いて描いて、自分にとっての「良い絵」を探るその試行錯誤の痕跡が、実は結果的に「良い絵」を作るんですよ?。そして今回の努力は確実に次の成長につながります。最後まで描き切りましょう!
午後クラスの丸太は、一旦ペン画は終了。ゴツゴツした樹皮や年輪、虫食いの跡までよく描いてます。観察力が強化されましたね。来週さっと淡彩(水彩であっさり薄く着色する事)をして仕上げますが、ペン画でも十分作品として成立していますのでお見せします。