想定アクリル・靴のある風景3/靴のデッサン3

アクリルもデッサンも3週目、中盤戦ですね。
アクリルは下地から徐々に図像が見えてきましたが、今はゴールを急がず、大きな構成のバランスを見たり、良い形や、色味(派手め、地味め、寒色系、暖色系…)、絵の具の表情(厚く、薄く、垂らしたり、にじんだり…)などなど、色々な可能性を柔らかくじっくり探っていくのが大事です。

午後のデッサンは、先週よりぐっと調子(鉛筆による陰影)も乗ってきて、細部も具体的に描き込んできました。形の狂いも修正しながら、しつこくよく見ています。「あ〜無理〜」と小さく弱音も聞こえたりしますが、短気を起こさず、どこが違うのかモチーフと静かに向き合うのが大事です。絵は平常心を保つメンタルトレーニングにもなりますね。

ちなみに近所の千葉市美術館で開催中の「板倉鼎・須美子」展。Eテレ日曜美術館で紹介されていましたが、オススメです。個人的には金魚の静物が好きですね。絵の具や色使いが参考になるかも?是非!

想定アクリル・靴のある風景2/靴のデッサン2

午前クラスのアクリル画は、「靴のある風景」というお題をそれぞれに解釈して、一週間自宅で写真を撮ったりスケッチしたりと取材を重ね…ともうこのプロセスは立派な自己表現としての作品制作です。今週さっそくキャンバスに入り、もうこの進み具合。同じお題で、これだけ個性が様々に出てきたのが嬉しいですね。ここからが楽しみ!
午後クラスの靴のデッサンも、非常によく頑張っています。機能を持った工業製品、とりわけ靴のような身に着ける物は、人体に沿った、複雑で無駄のない精密な形をしています。土踏まずはくびれていたり、靴底の厚みもかかとは厚かったり、左右も正確に対称。つまり形が変だとすぐ気付くことができます。陰影もつけて立体感を出しつつ、粘り強く形を追っていきましょう!

想定アクリル・靴のある風景1/靴のデッサン1

さて4月です🌸。新しい課題のテーマは午前午後ともに「靴(くつ)」です。
靴は身近で誰でも履いているけれど、普段はそんなに観察しない、でもその人となりも表れ、形も面白いので意外と描かれるモチーフです。
ゴッホの靴の絵や、(靴の絵ではないですが、足元を描いた)アンドリュー・ワイエスの「踏みつけられた草」は有名ですね。
午前クラスはアクリルで「靴のある風景」をテーマにした想定課題です。「靴」の絵なら靴を描けば良いのですが、「のある風景」をどう解釈するかで、絵の可能性は無限に広がります。そしてこの課題の主な学びのポイントは『絵になるかどうか?』。大人でもプロでも難しい問題です。ただ上手に描くのが良い絵とは限らない、その人なりの視点や狙い、気づきをもとに靴をどう自分のものとして料理するか?がポイントです。
今週はひたすらエスキースをしました。来週までに頑張って構想を決めて、取材もしてきてね〜。

午後クラスは、素直に鉛筆で描きましょう。靴は実は人体に沿った流線的な形と複雑な構造をしていて甘くないですよ〜。どうしても、はじめのうちは靴ひもや細かい部分に目が行きがちですが、まずは大きな形を捉えて、ふわっとやさしくアタリを入れていきます。ゆっくり、じっくり描き進めていきましょう!

構成アクリル画(風船石膏)完成!/シルクスクリーンのカレンダー4

午前クラス完成です!!
「風船石膏を使う事」だけは決まりでしたが、石膏をきっかけに、いかに自由に自分の表現をするかがテーマでした。自由と聞くと、空想を膨らませた方が良いように思いがちですが、実は日常的な光景に、面白みや美しさを発見できる感性が大事です。アンテナを張って生活しましょう。あともう一つ、自分なりの「良い絵」感を養うために良い作品をたくさん見ること。それに尽きます。
バラエティ豊かな絵が生まれて、かつみんなしっかり描いていて凄いです。自画像も良い。拍手👏

午後クラスのシルクスクリーンは、製版の作業。茶色い描画材で絵を描いた後、黄色い「乳剤」を「スキージ」で塗ると網状のスクリーンに被膜ができます。乾燥後、溶剤で描画材を洗い落とすと、描いた部分のみが網になってインクを通過する仕組みです。全員ちゃんと終えました~よかった。

シルクスクリーン版作り

構成アクリル画(風船石膏)8/シルクスクリーンのカレンダー3

午前クラスの構成課題は来週完成ですので今週が佳境です。
絵に説得力を持たせるためには、細部までしっかり描き切ることが大切。
一方で、終盤こそ初心にかえってもう一度エスキースを見直し、自分が何を表現したかったか、それに今の自分の絵は応えられているか、しっかり自分と対話するのも大事です。
みんなすごく集中して描いていて、ぐっと密度が増してきました。完成が楽しみ!

午後クラスのシルクスクリーン(通称シルク)のカレンダーは下絵が終わり、いよいよ本番のスクリーンに下絵をトレース(写す)して、シルク用のペンで描く「製版」と言う段階に入りました。みんな個性的で楽しい絵がそろってます。良いペースで順調に進んでます。
午前クラスも午後クラスもどうか風邪だけは気をつけて〜!

参考リュック・タイマンス

構成アクリル画(風船石膏)7/シルクスクリーンのカレンダー2

午前クラスの構成課題は残り3週の終盤戦。みんな図像が現れてきて、絵の方向性は見えてきました。さて、ここからがある意味勝負。
絵と対話して、更にどうしたら良くなるか、いかに見せ場を作るか、色のバランスを取り、要素を増やしたり、描き込んでみて、壊すことも恐れず、どこまでも満足せず自分なりの「良い絵」を追求していく作業です。ピカソの制作プロセスをおさめた面白い動画があります。驚くほどどんどん描き変えてます。楽しむことが大事ですね。→Youtube

午後クラスはカレンダーの本下絵。前回のエスキースで考えた図案をもとに、実際に版画で刷るサイズの画用紙に、鉛筆で描いていきます。シルクスクリーンはアンディ・ウォーホルで有名な写真製版というハーフトーンも印刷できる技法がありますが、今回はその簡易版でマジックのようなもので描いた部分が刷られる手法を使います。ハーフトーンはタッチを重ねて表現します。手法の特性を理解して、それを生かしたデザインを考えています。

構成アクリル画(風船石膏)6/シルクスクリーンのカレンダー1

急に寒くなってきましたね。
午前クラスの課題も中盤になりました。途中経過をお見せします。左3人は風船石膏との構成課題で、右4人は自画像です。だいぶ図像がはっきり見えてきましたね。少し絵が暗く見える子は絵の具を何色も混ぜすぎている可能性ありです。こういう現象を「色が濁(にご)る」と言います。濁ること自体が悪いわけではないですが、「あ、濁ってきたな」と自分で気づけるとぐっと綺麗な絵が描けるようになります。

午後クラスは、年末の課題、シルクスクリーンによるカレンダーの制作に入りました!シルクスクリーンは版画の一種で、Tシャツに刷ってあるのがこの技法です(以前の作品)。1人1ページ担当して、クラス全員分刷り、みんなの作品を束ねて来年のカレンダーが出来上がります。今日は、自分の担当月に合わせて用意してもらった資料をもとにエスキース帳に絵柄のアイデア出しをしました。来週は本番の下絵を作ります。欠席すると遅れてしまうので、体調管理に気をつけて〜!

構成アクリル画(風船石膏)5/手の塑像・完成!

午前クラスの構成課題は、下地を工夫してみたり、絵の具の垂らしや偶然の混ざり合いで偶然を取り入れたり、縦横変えて構図も考え直したり、みんな色々模索しています。
今の自分の絵とじっくり向き合って、何か足りないな…と要素を加えたり、暗いな…と明るく色調を変えたり、思い切って塗りつぶしたり、この時間を「絵と対話する」と言います。ただ一方的に描くだけでないキャッチボール。すごく大事です。豊かないい時間を過ごしていますね。

午後クラスは、手の塑像が完成しました!!小学生には手はちょっと難しい課題だったかもしれませんが、みんな、関節や肉のつき方、細部のしわや爪までよく観察して頑張りました〜。ぜひ拡大してご覧下さい。
来週から新しい課題がんばりましょう!

構成アクリル画(風船石膏)4/手の塑像5

午前の構成アクリル画。描き出しのちょうど良いところ?なので途中をお見せします。
まだ何を描かれているかわからないと思う方が多いかと思いますが、出だしはあえて回り道を推奨してます。普通はゴールのイメージにぱっと飛びつきたくなるところですが、あっさり描いた絵はやはりあっさりしたもので、途中の絵との対話、つまり葛藤があった方が断然面白い絵になるんです。焦らずいきましょう。

午後の手の塑像は、肉付けが進みもうだいぶ手らしくなってきました。
筋肉のつき方、骨格、指の曲がる方向、比率、腕には骨が二本あるとか…みんなで観察しながら解説していると、医学の解剖学の話のようになってきます。
実際、美術解剖学という学問はありますし、お医者さんも図で示すのにデッサン力が必要です。ダ・ヴィンチの時代だけでなく、今でも美術は科学とも医学とも繋がっているんですよ。面白いでしょ。

そして芸術の秋!ゴッホ展モネ展キュビスム展デイヴィッド・ホックニー展などなど良い展覧会が目白押し。鑑賞は描く訓練より実は大事なんです。是非!

レオナルド・ダ・ヴィンチ

構成アクリル画(風船石膏)3/手の塑像4

午前クラスの構成アクリル画は、アイデアが固まってきた人から順に下地作りに入っています。初心者のうちはイエローオーカーなど一色で画面全体を塗るのが一般的ですが、このクラスの子はある程度経験は積んでいますので、下地から絵作りと思ってカラフルにしたり、絵の具を垂らしたり、ペインティングナイフで厚塗りしたり、はたまた地塗りなしで挑んだり自由にしてます。きれいですね。
あとぜひお家で空き時間にGoogle Arts&Cultureで好きな絵を探索してみるのをオススメします。絵のヒントになりますよっ。

午後クラスの手の塑像は、今週から粗付けに入りました。細かなところは気にせず、おおまかな肉付き、専門用語で量(ボリュームやマッスとも言います)を捉えることが大事です。すっと伸びたり、グッっとひねったり動きの意識も大事です。だいぶ手らしくなってきました。その調子でしっかり観察してがんばりましょう!